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 いつまでも囚われてんなよ、と誰かに言われた様な気がして恥ずかしくなった。


 お守りは逃げ場だ。守ってあげるという言葉はここに逃げておいでという言葉だ。

 いつかの夜、くるしくなって、ないた。間違えても声を出さぬよう、ないた。やっぱり私は生きていてはいけない人間なのではないかと冷静に思った。とめどなく泪は溢れた。だらしない鼻水を垂らさないように鼻をすする。

 「情けない」そう、中学時代の教師は放っていた。何度も、何度も。彼女だけが本当の解を知っていたのだろう。若しかしたら彼女は自分に言い聞かせていたのかも知れない。今の私の様に。

情けない、いつまでも囚われてんなよ。



 

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