見出し画像

楽園

私が、私がいけないんだ


ずっと、ずうっと奥にある光が
日を重ねる毎にどんどんぼやけてゆく
大切だった貴方の声、輪郭さえ薄れて

「完璧じゃない生命なんてさあ
  生命の意味が無いんだよ。」

煩わしい声

全てが間違いだった
何一つ正解は無かった
救いようのない過去
分かっていたけれど
目を背けようにも
貴方が抱き締め続けるから
私、捨てきれなかった

ごめんなさい

...


私には何もないから
何も持ち合わせていないから
貴方に何も与えられない
私への期待なんて意味の無い物
捨ててしまって構いません

...

いつの日か、柔らかな楽園へ
貴方の腕を引けるだけの強さ、
それだけを持って会いにゆきます

どうかまた会えた時には
その繊細な声で私の名前を呼んでください

ずっと待っています

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?