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あなたは白の人間ですか。それとも黒の人間ですか。 そう問われた時に、間違いなく自分は白の人間だ、黒の人間だ、と言える人間なんているのだろうか。 スターウォーズのダースベイダーにもジェダイの戦士だったときがあるし、ロード・オブ・ザ・リングのフロドだって指輪の誘惑に負けたことがある。 どんな人間だろうと内側に白と黒の両方を持ち合わせているはずだ。 だが、社会はそのグレーな人間を白と黒に線引きしようとする。 そうすると、自分の中にある黒の部分を社会が否定しにかかるということが発
ページをめくるたびに流れていくどこか冷静な言葉に、「ああ、私はこの感覚を、この感情を知っている。」、そう思った。既視感と嫌悪感がじりじりと胸を焼いた。 2021年に生きる人間の姿を、時代を、とても簡潔に表していて美しい文章だった。 ・現代の推しとファンの関係のひとつの終着点の物語燃えたことで、浮き彫りになっていく推しという「人間」の姿と、見て見ぬ振りをしてきた自分という「人間」の山積みの問題たち。 肉体の重さや、静脈を流れる酸素が欠乏した黒い血を感じさせる文章が、美しく軽や
学生のころ、よく訪れる大好きな本屋さんがあった。 小さくてせまいお店だったが、そこに行くと必ず私は何冊か本を買ってしまうのだ。本の数が桁違いに多いであろう大きな本屋さんではぐるっと見て回っても結局何も買わずに出ていくこの私が。 その本屋さんではそこの書店員さんチョイスの本の紹介文がそこかしこに貼られていたり、その本屋さん独自の特設コーナーがあったり(湖沿いのお店だったのでそこにちなんで鉄道沿線事件ものを集めたマニアックなものなど)と、なんというか温かみと手作り感が満載だった