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ムーミンバレーパークでスナフキンのテントの前にいるときのしあわせ

今日はムーミンバレーパークのことを書きます。

ムーミン公式サイトの連載「ムーミンバレーパークのちょっとディープな情報を、AからZまでのキーワードにして、アルファベット順にご紹介していく『ムーミンバレーパークのA to Z』」にて、先日、【N】としてNuuskamuikkusen teltta(スナフキンのテント)が紹介されていました。

メッツァのnoteアカウントでも紹介されています。

スナフキンのテントはこんな場所

スナフキンのテントは、ムーミンバレーパークのはずれにあります。メッツァの入り口からムーミンバレーパークまでもそこそこ歩きますが、もっと歩かないと辿りつきません。宮沢湖の周りを半周する感じでしょうか。私が運動不足で疲れるだけかもしれません…。

↓ガイドマップ(PDFが開きます)

歩いて歩いて、着いたところにあるのは、テントと焚き火の模型と、ベンチです。

テントの隙間から、スナフキンがテントで過ごす様子のシルエットの映像が流れています。

↓こんな感じです。この日はとても空いていたのでのんびり過ごすことができました。リンクの表示が変ですが、私のInstagramに飛びます。

ムーミン公式さんのブログの内容

さて、ムーミン公式のブログでは、この場所が「スナフキンのとっておきの居場所」を再現すべく自然の音がするよう工夫されていることが紹介されていますが、「行ったら、なにもなかった。(テントしかなかった)」「ただ歩かされて、疲れた」という感想をもつお客さんもいることが書かれていました。

しかしながら、フィンランドからパークを訪れた方からは「スナフキンらしい場所」という声が聞かれたそうです。

ブログの筆者の川崎さんは、一見何もないこの場所では、「スナフキンにとっては、作曲の着想があふれる『たくさんある』場所なのだと思います。」と述べています。

そして最後には、意見・アイディア募集で締めくくられています。

とはいえ、できるだけ多くの方々に愛される場所であるというのが、大切なことだと思います。もし、これを読まれたみなさまの中で、スナフキンにとってとても大事な世界観を損なわずに、そして、今のご時世でスナフキンとゲストのみなさんが積極的な接触をせずに、ここになにもなくてつまらないという一部の方々にも満足いただけるような、ご意見やアイデアがあるようでしたら、ぜひ、この記事を紹介している各SNSに、コメントしていただければと思います。もちろん、なにも手を加えず、今のままでよい、というスナフキンの大切な居場所を守っていただけるコメントも大歓迎です。
(今後の参考とさせていただきます。)

私の考え:この場所はこのままであってほしい。

この前、私がこのテントの前で過ごした時、テントの中のスクリーンに映るスナフキンのシルエットの映像を眺めながら、『ムーミン谷の仲間たち』の短編「春のしらべ」を思い出しました。ある「はい虫」は、スナフキンに一方的に憧れていました。このはい虫は、のちにスナフキンから「ティーティ・ウー」と名付けてもらったことをきっかけに、自分自身の人生を生き始めました。

私はちいさな一匹のはい虫の気持ちになってテントの前で何をするでもなくただ座って過ごしました。はい虫と言っても、ティーティ・ウーではない、名前のないはい虫です(以前から、私がムーミンの世界の住人になったら、名もなきはい虫か、クニットか、ミーサだろうと思っていました)。

私が自分を「はい虫だ」と感じられたことは、つまり、私の心がムーミンの世界に入り込んだことを意味しています!!

「私はムーミン谷にいる!」と強く感じられたのはこの静かなテントの前だったので、ここは私にとってとても大切な場所になりました

ムーミンの世界の一員になれたとしても、スナフキンをお近づきになることは簡単ではなさそうなので(接近の仕方を誤ったら嫌われてしまいそう…)、テントの隙間からシルエットをそっと見ている距離感は妙にリアルにも感じられました。また、結構歩かなければならない、少し離れた場所にこのテントがあることには、現実から少し距離を置くにはちょうどよく、特別な感じもします

スナフキンの面影を探しに行ったのに、「自分」を強く意識させられたことは意外だと思う一方で、ティーティ・ウーのように、スナフキンと向き合うことは、案外自分と向き合うことなのかもしれないと思いました

「春のしらべ」の物語は「サウンドウォーク」という、スマートフォンを使った体験によってパーク内で楽しむことができます(610円)。この体験は、あらかじめプリをダウンロードしておくのはもちろん、メッツァに着いたところから始めると最初から物語を追えるのでおすすめです。この前、中途半端なところから始めてしまって最後に①を聴くことになり、ちょっと失敗しました。

おわりに:自分だけの楽しみ方を見つけるから楽しい

ムーミン公式ブログで投げかけられた、「スナフキンにとってとても大事な世界観を損なわずに、そして、今のご時世でスナフキンとゲストのみなさんが積極的な接触をせずに、ここになにもなくてつまらないという一部の方々にも満足いただけるような」意見やアイディアを考えてみましたが「これだ!」というものは思いつかず…何もなくても、キャストさんがいなくても、スナフキンのテントが好きなのだということしか語れませんでした。

ムーミンバレーパークに行き始めたころは、説明が少ないと感じていました。でも、何回かパークを訪れると考え方は変わりました。パークに来るお客さんは、みんな思い思いに楽しんでいます。可愛らしいお洋服で来園する方やぬいぐるみと一緒の方、すごいズームレンズでショーを撮影する方、仲よしグループ、親子、カップル…いろんなお客さんを見て、自分だけの楽しみ方を見つけているから楽しいのだと気づきました


私にとって、スナフキンのテントはムーミンの世界への入り口のような場所であり、自分と向き合える場所でもあります。スナフキンのテントを訪れる方それぞれが自分にとっての意味を見つけられたら素敵なのにな、という、今日は(も?)とりとめのない終わりです。

一人でも多くの人にムーミンやほかのヤンソンの本を手に取ってもらえるような手助けがもっと私にもできたらな、と思います。相変わらずまだまだ未熟だけれども…。


↓「春のしらべ」が掲載されている『ムーミン谷の仲間たち』

↓『ムーミン谷の仲間たち』を紹介した記事


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