レビュー・PlayStationワイヤレスサラウンドヘッドセット
久しぶりにモノのレビューを書いてみたいと思った。優れものと出会ったからである。
ソニーコンピューターエンターテイメントから発売された、プレイステーション専用のヘッドセット。いわゆる純正品である。
まず推したいのがデザイン。丸みを帯びたシンプルなシルエットで、ごてごてしたパーツは見えない。
スピーカー部の調整はフレームが伸縮するのではなく、スピーカー部がフレーム上のレールをスライドすることで行う。
装着感は実にやわらか。頭のでかい私でも締め付けられる感じはなく、両耳と頭でうまく押さえているイメージ。
折りたたみが可能で、専用ポーチに入れて持ち運べるので、Vitaといっしょに屋外でも使える。
ヘッドセットを屋外で?と思われるかもしれないが、心配御無用。マイクは内蔵されているので、一見するとヘッドセットに見えない。
音量調整等は左スピーカー部のボタンで行う。やや広く配されたボタンは、手探りでも誤操作しないようにという配慮だろう。
音は商品名にある通り、7.1chサラウンド環境を擬似的に体感できる。 実際メタルギアソリッドVをプレイしてみた。背後を通過するトラックが砂利を跳ねる音が、きちんと背後からだと感じられる。特別な感覚としてではなく、自然に「あ、今後ろに誰かいる」と感じられる音なのだ。
私は音質云々を語れるほどオーディオマニアではないのだが、7.1chのヘッドフォンにしては、低音が物足りない気がした。環境音が主体になるゲームでの使用を前提にしたのかもしれないが、もう一考してほしかったところだ。
(PSStoreで専用のプリセットアプリが配信されました)
だが何より、これだけの機能を持ったヘッドセットがワイヤレスというのがいい。煩わしいコードに悩むことなく楽しめるし、充電はPS4からUSB接続で行える。寝る前につないでおけば寝ている間に終わるだろう。
と、ちょっとAV機器に詳しい方ならここで思うだろう。てことはこいつぁBluetoothなのか?と。さにあらず。本機は独自規格を使用しており、使用するためには専用のアダプターをPS本体のUSB端子に差し込まなければならない。なのでワイヤレスで接続できるのは、PS3とPS4のみである。
折角Bluetooth付いてるのに、わざわざ独自規格にする意味あるの?と疑問を持たれたり、折角7.1ch対応の機器があるのに使い回せんのかー!とお嘆きの方もおられよう。が、そこはPS専用機として設計されたが故の理由が有る。
家庭内の使用を前提にし、かつ既にBluetooth対応機器が多くリリースされている上、他ならぬDualShock4もBluetoothを使っている。
なれば、干渉や誤作動の危険は避けたいのが人情。ペアリングの手間もなくさっと使えるよう、あえてUSB端子を一つ押さえる決断をしたのだ。おそらく。
実際機器のペアリングなどの操作を一切せずに使えたし、従来のヘッドセット同様、チャット音声のみを聞くこともできる。
残念ながらVitaとは無線接続ができず、付属のケーブルでつなぐことになるが、外でVitaを遊んだ帰り、そのままPS4とヘッドセットの電源を入れるだけで、すぐPS4とつながるこの手軽さは心地良い。
実証試験をしてはいないが、恐らく2台以上の同時接続は仕様上できないと思われる。公式の見解を聞きたいところだが、ひとまず一人での使用を前提にするのが無難だ。(2台まで接続は可能なようです)
価格はおよそ12,000円と手頃。音にこだわってみたいが、価格や何を買えば良いかで迷っている方や、買い替えを考えている方には、性能も価格もぴったりではないだろうか。
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