シャイニーカラーズのライブに参加した、夏

構成の良さもあったためか、心から夏を感じられたライブでした。


あれは 2023 年末、アイドルマスターシリーズとラブライブ!シリーズの合同ライブがその年末にあることを受けて、慌ててアイドルマスター曲を予習した秋。
サブスクにある限りシャイニーカラーズの曲をすべて聴いたことが、思えばそれが始まりでした。

音の構成が大変丁寧であってとにかく曲が良い!
それで居ても立ってもいられなくなって、早速 2024 年 3 月にライブに参加してみました。そうしたら、曲だけでなく演技も大変に洗練されており、深い満足をしました。

さて、ライブに深い満足をしたとき。よくあることだと思いますが、すぐにアンビバレントに襲われました。
一つはこれにてライブに満たされたので大丈夫、という気持ち。もう一つは、むしろかえってライブに行きたいぞと、飢えを感じる気持ちです。
今回片日参戦だったのもあり、深く満たされたにも関わらず……いや、深く満たされたからこそ、もっともっと追い求めたくなってしまいました。それで、この 7 月 27 日のライブ参戦に至ります。
チケット競争には苦労をして、片日だけはなんとかもぎ取りました。

そもそもといえば僕はゲームも 1 時間程度しか触れておらず、アニメも途中で止まってしまっているので、かなりにわかではあります。このため、片日当選という結果は、分相応だったという部分はあるかもしれませんね。

さて、そんなにわかな自分なので、あまり背景知識があるわけではないのですが、シャイニーカラーズについて曲が好きで日頃愛好していることについては多少自信があるので、今回はぜひ書かせてください!という心持ちでこのブログを書くことにしました。

さて、シャイニーカラーズのこの夏のライブでも day1 にあたるこの日、そのセットリストはファンの間でもなかなか評判であったようです。
個人的には、まさにシャイニーカラーズの音の構成の良さに驚かされた曲、どのユニットにおいてもそうした音の良い曲が多かったという印象です。

このあと、全部詳しく書いていくと終わらないし散漫になってしまうので、ユニットを絞って感想を書く予定ですが、ざっとユニットごとに「これぞ」と思ったところを曲名 + アルファだけでも最初に述べておきたいと思います。

放課後クライマックスガールズは非常に曲調のバリエーションの広いグループですが、個人的にはユニットの自己紹介曲である「夢咲きAfter school」が至高だと感じました。重低音の芯が通っており、動きも画面を大きく使うダイナミックなもので、迫力を感じられる素晴らしいラインナップでした。音楽としての良さを十分に感じる 1 曲であったのではないでしょうか。それに放課後クライマックスガールズは (他のグループにもある程度いえる点だけど) 声の通りの良さも大きな魅力ですね。夏だ!祭りだ!という楽しさに箔が付きます。

イルミネーションスターズは全ユニットの中でも特に、全身全霊で歌ってらっしゃるというのを感じることができるユニットだと思います。サビの歌の難しい箇所であってもなおダンスが激しいのですが、その中でもなお魅せつけてやるとばかりに歌ってらっしゃてて、これを受けて観客もスイッチが入り、リアクションがさらに一段強まっているのが見て取れました。演者さんと観客とで相互にやり取りをして一層ステージが良いものになっていく、それを体現しているユニットなのではないでしょうか。どの曲も名曲から選りすぐっているようで印象に残っていますが、3 名でのご出演を見ることができた「ヒカリのdestination」は、大変ありがたい時間でした。

アンティーカはメタル曲を得手としており、通常の倍のテンポに感じられる曲が豊富にあることから、全ユニットの中でも、シャイニーカラーズの曲を聞き始めてすぐに魅了されることになりました。今回はありがたいことに 3 曲とも倍のテンポの曲で、特に「NEO THEORY FANTASY」が聴けたのは大変ありがたかったです。B メロの時点でシンフォニックの開放感があり、崇高を感じさせたところで B メロ後半からはサビにかけては再びダークになる構成が唯一無二の魅力を作っています。ライティングも美しく演出が凝っており、このライブ全体の完成度の高さが伺われます。

アルストロメリアについては「Give me some more...」があった点に驚かされました。アルストロメリアは総じてハウス調であったり、さらに主旋律が 4 分と 8 分の混ざる大変リズミカルなもので、それだけでも吸い込まれてしまうのですが、この Give me some more... の場合はさらにギャップ萌えもありつつジャズ的なカッコよさまでも加わっています。どうやらカワイイをテーマにしているアルストロメリアが妖艶な歌を歌っていること、キレのあるダンスのインパクトが強烈で、アッパー系ではないのですがずっと飛び跳ねてしまう曲でした。

シーズは、実はあまり普段聴くタイプの曲調ではなかったのですが、そんな曲も内包しているというところに一層シャイニーカラーズの魅力を感じることになります。メロディが美しく、改めてこういう曲も好きだな、と引き込まれていってしまうのが楽しいです。しかも、クール系のダンスである一方でキャラデザは可愛い系の人物もおり、こうしたギャップもたまりません。こうしたギャップもまたシャイニーカラーズの素晴らしい点といえるでしょう。特にエキゾチックでメロディアスな「Fashionable」は大変耳に残るものであり、こういうのも良いなと気付かされて興奮します。身体全体が引き込まれ、めちゃめちゃ踊ってしまいます。

コメティックは「無自覚アプリオリ」を 3 回目聴けたのも大変ありがたかったのですが、今回は「くだらないや」を聴けたのも心にかなり残りました。音については、澄んだ小さめの音も細やかに作ってあり、これがノイズの音との綺麗な対比を作っています。サビの符点のリズムもユニークで、まさにこのユニットならではという曲調。音階もかなり高くて、三名が三様の異なる声色でハイトーンを歌われるさまにはかなり心を奪われます。この曲は郁田はるき役の小澤麗那さんのご活躍が多い曲なのでしょうか。今まで他の二名の最初の印象が強かったので、今回ははるきと小澤さんの魅力をじっくり知ることができたのも大変良かった点です。

さて、手短にどのユニットについても触れようと思っていたらあっという間に 2,000 字を超えてしまいましたが…、

箱推ししたい気持ちもあり大変迷うところではあるのですが、やっぱり推しユニットかなと思っていて一番心に刺さったのは、ノクチルではないかなと思います。

シャイニーカラーズのプレイリストを登場順に聴いていく中で音作りが大変良く魅了されていったと書きましたけれども、これはもうシャイニーカラーズの単独に行くしかないだろうという決め手になったのは、やはりノクチルの楽曲たちであったと記憶しています。
海をイメージさせるさわやかでストレートなリズムと主旋律に、今日を乗り越えていくぞ、困難な夢でも構わないので自ら行動を起こしていくぞといった歌詞が、まさに自分のツボを完全に把握されてしまっているという形で笑。
歌詞の一人称が「僕」であることが多い点においても、ラブライブ!オタクのヘキを突かれてしまったというところです笑。

あと結局のところ自分は浅倉透が推しなのではないかという気がしています。ゲームなど各メディアに触れられていないのでパーソナリティーが断片的にしかわからないのですが、その中で拾っているかぎり、済ましていてクールな人物というのにはやはり弱いのです。
さらに、6th のときの和久井優さんのパフォーマンスがとても役に入り込んで魂のこもったもので、これに圧倒されたのが大きかったと思います。

表題曲である「いつだって僕らは」はまさにそうした要素、ストレートなメロディとリズムやクールさを体現した曲で、テンポの早い曲調ではこちらも気がつくと全身を揺さぶってしまっていました (念の為、ライブ慣れはしているので、自分の座席からはみ出ないように上手く注意深く踊っています笑)。そして言うまでもなく音程や音素が放つ透明感。音ゲーを思わせる繊細なエフェクト回しもあります。
パフォーマンスにおいても、かわいいベクトルの人物とクールなベクトルの人物が掛け合うような仕草でパスを回していくなめらかさとギャップの綺麗さ、そして声質が四者四様であるためかサビのユニゾンの深みのある響き。そして広がりのある衣装と調和するような外へ外へと広がっていく振り付けが心に突き刺さってきます。
これらはまさに、空や海の広さ、背後にある夢の広大さをありありと感じさせるもので、結果、いま最高に夏をしている!という心持ちに浸り、感動で愕然としてしまいました。今、夏という時間にいることが幸せでたまらないと感じ、もう何も悔いは残らないという気持ちで心が満ちていきます。

さらに、ど〜〜しても一度は拾いたかった曲のうちのひとつ「今しかない瞬間を」。
実は 6th のときは、このときも拾いたくて仕方なかった曲のうちのひとつ「僕らだけの未来の空」を浴びることができていたのですが、約 3 分半の曲ということもあって「今、途轍もないことが起きているぞ…!」とか「急いでシルエットと演者の方を脳内で一致させないと」とか慌てふためいているうちに終わっていってしまい、少し悔いの残る鑑賞をしてしまいました。

今回の「今しかない瞬間を」はまさにその悔いを払拭するかのように全神経で曲に入り込んでいました。
というか、もちろんこのときは反省を活かせていて演者さんとシルエットをイントロや A メロの時点ではっきり一致できていたのですが、それよりも、感動に全てを持っていかれていて逐一状況一つ一つを追っている精神状態ではなかった、というほうが正確かもしれません。良い意味で。
とにかくすべてが良く、嬉しくて、びしょびしょになるほど泣いていて、目の端では素晴らしい演技を全て拾おうとしている一方で、実際に大変素晴らしかった動きや声の朧気な記憶もあるのですが、それ以上に全体的な心理状態としては、それどころではなくてとにかくこの瞬間が愛おしくてたまらないという状況で。ああ、これがライブに参加するということなんだな、と、改めて強く痛感したところでありました。
「今しかない瞬間を」という曲名はまさにこうした一瞬しか味わうことのできない喜びを、惜しみながらもそれだけに集中してしっかり楽しもうというメッセージに感じられて、さらにもう一押し、感激の波が強められる形になりました。
今この瞬間が、きっと生涯忘れられない夏になるんだなあと確信できる瞬間。こんなに愛おしいものってなかなかないですね。


さて、もうひとユニット注力して書き残しておきたいのは、おそらく会場全体としても MVP 的に見ていたであろうストレイライトです。

表題曲によるユニットごとの自己紹介ブロックにおいて、なぜかスキップされていたストレイライト。皆一瞬キョトンとはしましたが、おそらく、このあと何か盛り上がりを仕掛けてくるのだろうという期待で満場一致だったのではないかと思います。

ユニットごとに 2 曲ずつまとめて披露する展開になった中盤戦、皆の期待を焦らすかのように割と最後のほう、7 番目についにストレイライトが登場します。
「Another Rampage」の鼓動を打つようなイントロが徐々に近づいて来る中、意表をつくようなエフェクトでついに登場したストレイライト。
直前のイルミネーションスターズがやはりかなり名曲だと思われる「Happy Funny Lucky」を披露したことで会場の熱気がかなり高まっており、このとき最高潮であったといっても過言ではない気がします。見て分かる明らかに横浜アリーナ全体が盛り上がっている様子!
ストレイライトは歌についてもサビのかなりの高音をハスキーに歌われるのが凄い一方で、やはりダンスが圧巻なのだと思います。
イントロからサビにかけて終始動きが大きくキレがあり、これを 3 名でされているのでかなりの迫力なのですが、凄いのは動きの大きいところだけではなく、比較的しずかに動かれるところでもパントマイムのような細かいニュアンスで高度なダンスをしているようなのでした。

続く「Hide & Attack」も大変素晴らしい演目です。彼岸花を柄として動かしていたスクリーンの映像も印象的でした。和の要素も入り、それでいてかなりトゲのある怪しげでダークな音と演出が大変刺激的なのです。後で音源を聞き返してみると、確かに純邦楽で使われる楽器の音が入っているような。ハードコアと和楽器の組み合わせも大変助かります。
B メロの遅いリズムと速いリズムの交互に来る箇所も心身を揺さぶられ、これもヘドバンすることをやめられない箇所です。

さて、この曲も他のユニットの曲の例にもれず、音の作りが大変細かい楽曲です。ですから硬派に音に聴き入るだけでも十分満足できる曲という側面もあると思いますが。それでしかも同時に、ライブとして盛り上げるギミックもちゃんとふんだんにある!
ラスサビの落ち部分からだんだんと近づいてくる鼓動のように観客のボルテージを上げようと近づいてくるグルーヴ。その最高潮に達して本サビに入るときにスパーンと入る跳びポ (ジャンプすると楽しいポイント)!
しかもこの跳びポ、実は 1 サビ、2 サビから周到に用意されています。お前らこのタイミングで来るから覚えておけよ、的な感じですね。ラスサビだけ跳びポが入るほうが心地よいと感じられる場合も多いですが、この曲は落ちサビから徐々に上がってくる間隙がかなり丁寧で、ちゃんとラスサビの跳びポに跳びポだけの特別な意味もあるかのように感じられる。しかもラスサビ中に二回あります。パーンと決まると気持ちいい!

このようにしてみんなが満面の笑みになりながら終わっていったライブ。本来は 4 ユニットしかいないはずのところを、うっかり未来にワープしてしまって 8 ユニットいる様子を前借りして鑑賞できるようになったのだ、という設定の自由さもシュールでかなり面白かったのですが、過去の 4 ユニットの時代に時間が戻ったらしく、もうダブルアンコとかはないだろうと思われたそのとき。
新たに 5 つめのユニットが結成されたというアナウンス…。
えっ、良いんですか!?良いんですか!?
湧き上がり直す会場。そして煙の中から現れたのは…。
ストレイライトだーーー!
自己紹介曲「Wandering Dream Chaser」はこのために取っていたのですね!
この曲、異次元の予習のときから好きで、異次元の day2 で聞けて嬉しかったんですよ。
イントロからして徴収の「オイ!オイ!」を煽るような振り付け。会場が再び最高潮になるのはもう織り込み済みというわけです。
挑発的な A メロと B メロの振り付けにググっと引き寄せられたところで、細かくステップを踏む無茶苦茶クールなサビ。強かで前向きな、芯の強い歌詞。我武者羅に踊るしかない最高に心地よいこの瞬間。それでもまだ物足りないとばかりに続く大サビ。

さて、このライブ全体を通して、演出や照明も大変良く、一度未来に行くという物語上の設定にてまだ結成されていないはずの残りの 4 ユニットも見ることができるという流れも大変満足なものでした。
そしてそのように根幹を大きく覆すような、良い意味で破天荒な筋書きに対して、さらにそれをも超えていくかのように、過去に戻ったあとで追い打ちをかけるように登場した Wandering Dream Chaser。この Wandering Dream Chaser の歌詞では、「誰かが作った道を […] 追い越」すとか、「高く高い壁だって […] 飛び越え」るとか、枠組みを乗り越えるような非常に前向きなフレーズがあり、まさに枠組みを覆す役割としてピッタリの曲だったのではないかと思います。

***

確かにその場所に夏があった。
今年の夏のこの瞬間しか受け取れないものを受け取った時間。
燃えるようなあつさを全身余すことなく感じられた瞬間。
そうした時間を過ごせたこの日のことを、きっと忘れないでしょう。

そして願わくば、またシャイニーカラーズのライブに行きたいです。
「夢が夢じゃなくなるその日まで」もど〜〜しても一度は拾いたい曲なんですが、異次元の day1 や 6th の day2 不参加だったために絶妙に拾えないでしまっている!や、これに限らず、本当に楽しかったので、こんな経験がまた何度もできたらさぞいい未来になるだろうなぁ、と感じたのでした。

それではここまで読んでいただき、ありがとうございました!
願わくば 7th ライブ、もしくはもしあれば異次元フェス 2 で??お会いしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?