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データで見る世界陸上オレゴン1

世界陸上が終わり大分経ちましたが…
台風で外出もできないのでまとめてみました。

男子1500m 予選


 42人エントリーで41人が出場した。
 まず予選、3組の各6着+タイムで6人。予選で6位以内でゴールをすれば文句なしの予選通過7位以降の選手は全員が走るのを待ちタイムで上位6人が次のステージ(準決勝)に進出できる。合計24人が進出できるのだが41人中24人なので半分以上が進出できることになる。
 持ちタイム(その選手の今までで一番良い記録)でいうとケニアのTimothy CHERUIYOT 3:28.28 が一番良い。もちろん優勝候補の一人である。一方出場選手の中で一番悪い持ちタイムはアルメニアのYervand MKRTCHYAN 3:42.37となっており15秒の差がある。
 予選通過ラインを見てみよう。持ちタイムで24番目の選手はケニアのKumari TAKI 3:34.14 となっている。ここから+5秒くらいの3:34-39くらいが予選通過ラインになるのではないかと予想できる。
 実際の予選はどうだったかと言うと1組2組からそれぞれ3人ずつタイムで拾われ9人ずつの準決勝進出、タイムの悪かった3組は着順の6人のみ。プラスで拾われた一番遅いタイムは1組目の9位3:37.43 カナダのCameron PROCEVIAT 予選落ちで一番良いタイムは3:37.57 ドイツのChristoph KESSLER であったことに対し3組目の6位は3:39.45 と約2秒遅い。
 

なんとも不公平な気がする!


 遅いタイムで通過する人がいるのに対して、それより良いタイムで通過できないことが不公平なのか? 実力者が予選落ちしてしまうことが一番の不公平なのであるとは思う。
 
 着順で上がれる6人×3組=合計18人で見てみると、全体では18人中15人(83%)が予選を通過した。プラスの6人を含めてみると24人中18人(75%)が通過をしている。25番以下の記録の選手は6人だけが予選を通過した。
 組ごとの持ちタイム6番以内の選手はどうなったかを見てみよう。
1組目は5選手が着順で通過し1選手がプラスで拾われ全員が通過
2組目は着順で4選手プラスで1選手 1選手予選落ち
3組目は着順で4選手が通過し2選手は予選落ちをした。

落ちた3選手

は以下の通り
ケニア Charles Cheboi SIMOTWO 3:30.30 全体10番 組5番
エチオピア Samuel ZELEKE 3:32.80 全体16番 組6番
ウガンダ Ronald MUSAGALA 3:30.58 全体11番 組4番

 ケニア Charles Cheboi SIMOTWO
 記録を出したのは2021年 シーズンベストは3:37.35で全体36番手組11番手と低調である。
 
 エチオピア Samuel ZELEKE
 記録を出したのは2021年 シーズンベストは3:34.80で全体全体15番手組5番手と今シーズンの方が順位的には良い

 ウガンダ Ronald MUSAGALA
 記録を出したのは2021年 シーズンベストは3:35.6で全体24番手組8番手と落としている。

 ケニアとウガンダの2選手は持ちタイムは良いが今シーズンはかなり落としている結果なのだろう。
 ではシーズンベストで比べたら良いのではと考えたが、組6番以内のシーズンベストで予選落ちした選手も4人と増えたり組ごとのシーズンベストのタイムの順位と予選順位のバラツキも自己ベストと比べて大きかった。
 
 

ではエチオピアのSamuel ZELEKEはなぜか?


 まず800mを走ったことがない。2018年にはハーフマラソンを1:05:29の記録を持っている。年齢も23才と若く経験が少なかったのではないであろうか?


 

逆に持ちタイム、シーズンベストから大きくゲインして予選通過した選手は


1組3位 アイルランド Andrew COSCORAN ベスト33位 組11位 シーズン33位組12位
2組2位 カナダ Charles PHILIBERT-THIBOUTO ベスト25位 組9位 シーズン25位組8位
3組2位 アメリカ Joshua THOMPSON ベスト30位 組9位 シーズン30位組10位
どの選手も今シーズン特別調子を上げたわけではない。どの選手も800mの記録が良いのかと思ったが全然良くもない。
強いて言うなら3人ともが自己ベストに1秒程度遅れるくらいで走っている。予選で力を出し切れたのだけかもしれない。


1500mの予選でわかるのは組に運、不運は少なく持ちタイムが悪い選手が番狂わせを起こすのはかなり確率は低いようだ。

記録は https://worldathletics.org/ から参照いたしました


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