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【ロック名盤100】#14 Sticky Fingers - The Rolling Stones

 今回紹介するのは、ローリング・ストーンズが1971年4月にリリースしたアルバム「Sticky Fingers」だ。「べガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」からさらにルーツ・ロック/ブルース・ロック・サウンドをブラッシュアップさせ、ストーンズの最高傑作のひとつに数えられる名盤となった。ここだけの話、前の2作と同じくらい凄い作品で、だからこそ前の2作と語る内容がほとんど同じになってしまいそうな気がする。本当にこのアルバムは大好きなので、ご容赦ください。
 初めてミック・テイラーがアルバム全体で参加した作品。そして初めてブライアン・ジョーンズが一切内容に関わっていない作品だ。メンバーも思うところはあっただろう。さらに1970年には自分たちのレーベル「ローリング・ストーンズ・レコード」を設立した。これにはあの悪名高きアラン・クレインと決別する目的もあった。本当にこいつはよく話題に出て来るものだ。———などと、いくつかストーンズも変化があったらしい。

1 Brown Sugar
2 Sway
3 Wild Horses
4 Can’t You Hear Me Knocking
5 You Gotta Move
6 Bitch
7 I Got the Blues
8 Sister Morphine
9 Dead Flowers
10 Moonlight Mile

 「べガーズ・バンケット」に「悪魔を憐れむ歌」、「レット・イット・ブリード」に「ギミー・シェルター」があるなら、「スティッキー・フィンガーズ」には「ブラウン・シュガー」がある。とにかくギターがカッコいい。ストーンズのストレートなロックナンバーの最高峰だ。
 「べガーズ・バンケット」に「ソルト・オブ・ザ・アース」、「レット・イット・ブリード」に「ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット・ホワット・ユー・ウォント」があるなら「スティッキー・フィンガーズ」には「ワイルド・ホース」がある。ミックのボーカルに完璧な合いの手を入れるギターが絶妙。美しき名バラードだ。
 後半にサックスとギターのジャムが展開される「キャント・ユー・ヒア・ミー・ノッキング」やブルースナンバー「ユー・ゴッタ・ムーヴ」も見逃せない。僕のお気に入りはスローテンポの佳作「アイ・ガット・ザ・ブルース」だ。そしてラストトラック「ムーンライト・マイル」でアルバムはゆっくりと幕を閉じる。
 ギタリストにとってのストーンズの最高傑作は本作なのではないか、と思う。ミック・テイラーのプレイングは終始魅力的だ。ややアダルトで、それにしてはハードで硬派な印象も受けるジャケットが本作の音像を映し出しているといえるだろう。ストーンズ節の光る名盤だ。

↓「ブラウン・シュガー」

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