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【ロック名盤100】#50 Neil Young - Harvest

 今回紹介するのはニール・ヤングが1972年2月にリリースした「Harvest」だ。前回紹介した「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」と本作がニール・ヤングの最高傑作であり、どちらが優れているかは好みの問題。僕はこっちの方が好きかも。ちなみに、本作は参加しているゲストの顔触れが豪華すぎることでも有名で、CSNYのメンバー3人、ジェームス・テイラー、リンダ・ロンシュタットらが主にバックボーカルで参加している。
 感想としては、音が広い。ミックス的な話ではなく完全に個人の感覚としての音像なのだけれど、地平線までひたすら広がる平原のような幻影をイメージさせる。「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」と似ているようで対照的なのもそこにあると思う。「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」は森林、「ハーヴェスト」は平原という感じでぼんやりとしたキャラクター分けができるかも。

1 Out on the Weekend
2 Harvest
3 A Man Needs a Maid
4 Heart of Gold
5 Are You Ready for the Country?
6 Old Man
7 There’s a World
8 Alabama
9 The Needle and the Damage Done
10 Words (Between the Lines of Age)

 本作のハイライトは、なんといってもニールのキャリアで最も売れ、最も人気と評価も高い楽曲「ハート・オブ・ゴールド」である。やや乾燥した演奏とニールのしっとりした声の絡みがちょうどいい。ハーモニカもまた別の要素を足してくれる。でもやっぱり僕の本作での1番のお気に入りは「オールド・マン」かな。こういう曲を聴くとニール・ヤングは稀代のメロディメイカーという一面もあったということを強く実感する。盛り上がりが最高潮に達するセクションでのハーモニーが素敵。間奏でのバンジョーはジェームス・テイラーの演奏らしい。
 ロンドン交響楽団によるオーケストラが特徴的な「マン・ニーズ・ア・メイド」「ゼアズ・ア・ワールド」や本作唯一と言っていいストレートなロックナンバー「アラバマ」も忘れてはいけない。特に「アラバマ」のギターが余りにもかっこいい。ちょっと前作収録の「サザン・マン」に似てる。
 この「ロック名盤100」シリーズもやっと#50で折り返しまできた。そんな前半戦を締め括るポイントにふさわしい名盤だろう。天才ニール・ヤングが生み出した孤高の傑作「ハーヴェスト」、是非聴いてみてほしい。

↓「ハート・オブ・ゴールド」

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