【短編小説】ムーサは自分を去勢することにした・A面
「ある女性アーティスト」をテーマに書きました
「他人から見たある人の姿を描き出す」ってなかなか難しいな〜〜
【美術大学の同級生曰く】
あの人はいかにも芸術家らしい芸術家だった。
寝食を忘れ、見た目にも気を遣わず、ときに風呂に入ることすら忘れて夢中で作品を制作し続ける。
その様は半ば狂気的ですらあり、彼女、いつかぶっ倒れて死ぬんじゃないかと、僕は密かに心配していたよ。
いや──これはふとした思いつきだけど──ひょっとすると、彼女は死にたがっていたのかもしれないね。