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短編小説

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これまでに書いた短編小説です。
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2023年7月の記事一覧

【短編小説?】ラブレター

「上位存在の書くラブレター」という性癖!! ワーッ!!!  今この瞬間まで、貴方が生きてきたことを絶対的に肯定したいのです。  貴方が生まれて、どういう境涯にせよ今日という日まで死なずに生きてきて、何かを思って私の前にいる。息をしている。ものを食べたり、眠ったりする。ただ、存在している──喜ばしいことではありませんか。  貴方がこの世に生を享けてから、きっと、辛いことも楽しいこともあったのだろうと思います。ひょっとすると、死にたくなるようなことすらあったかもしれません。  

【短編小説】白昼の幽霊

ブラック企業を辞めて田舎に引っ越した人が、かつての同僚に向けて懺悔する短編小説です。 以前、女→女のクソデカ感情を書いたので、今回は男→男のクソデカ感情を書いてみました。ただ、これをBLと呼ぶかというと違う気もする。 まあ、一応BLタグもつけとくか…… 同性間のクソデカ感情を書いた作品って、好き嫌い分かれるだろうしな。  昔「イタリアでは、最も影の短くなる真昼間に幽霊が出るのだ」と聞いたことがある。なんでも、影が短くなる時間は魂にとって良くないらしい。  それに、地中海