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グロムス腫瘍という地味に痛い指の腫瘍とサヨナラした話②

手術をすることが決まってから、しばらく指が使えなくなるということが分かっていたので、大急ぎで課題を終わらせました。大学の期末の課題のレポートが2つほど残っていたのですが、何とか手術の前日の朝に提出。昼はパンを作ったりゲームをしたりしてのんびり過ごしていましたが、やはり夜は緊張してほとんど眠れませんでした。はっきりとは言及されていませんでしたが、おそらくグロムス腫瘍というものだと思われていたので、グロムス腫瘍で摘出手術をした方のブログを読みまくって過ごしていたところ、ほとんどの方が指の局所麻酔が激痛!!と書いていらっしゃり、一人で震えあがっていました。「痛すぎて叫んだ」「痛すぎて泣いた」という文章からいったいどんな痛みなんだと、、、不安で不安でたまりませんでした。

次の日、手術は午後からだったため、ゆっくりと用意し、徒歩1時間かけて病院へ向かいました。用意する、と言っても指示があったのは髪を縛るゴムを持ってくるということだけでしたが。

病院について受付を済ませた後、指示されていた手術用のマットを売店で購入して待機。しばらくすると名前が呼ばれて、手術着に着替えるよう更衣室に案内されました。予定より早くついてしまったので、そのまま時間も前倒しになりました。その後、体重と身長、血圧・脈拍を測られいよいよ手術室へ。血圧が上86しかなかったことに驚きましたが、特に問題もなかったようです。

そしていよいよ手術台の上へ。お医者さん看護師さんによっていろいろな機械をつけられ、あちこちを拭かれ、自分の脈拍が聞こえ始めました。私は自分がこれから手術を受けるのだという実感がどうにもわかず、またまたにやけそうになりましたが、マスクを外していたのでどうにかこらえました。左腕の先にはパーテーションの様な仕切りがおかれ、手術の様子が見えないようになっていました。

そうこうしているうちに主治医の先生が登場し、患部のある左手の薬指が消毒され、あっという間にびちょびちょになりました。そしていよいよ「これから麻酔を打ちますけど、とっっっっってもいたいですよ~」の一声で指の根元に注射の針が刺さりました。

が、指の局所麻酔、全く痛くなかったです。痛みや感じ方には個人差があると思いますが、少なくとも私は想像していた痛みの1/10程度でした。歯医者で歯の麻酔を経験したことのある方なら分かるかもしれまんが、針がチクっと刺さった後、麻酔液が注入されるあの感覚が、そのまま指に移ったという感じです。先生にかなり脅されていた、かつ自分で調べた結果でかなりビビっていたので、拍子抜けしてしまいました。ここでも笑いそうになってしまいました。

注射されたあとすぐに指が痺れはじめ、先生が爪を切り開く様子が聞こえてきました。当初、爪をすべて剥いで腫瘍を摘出するという話だったのですが、一部を切開する方式に切り替わりました。痛みは全くないのですが、切り取られたり、えぐられたりしているような感覚はなんとなく伝わってきました。

そんな時ふと先生が「3番目の指であってますよね?」と私に話しかけてきました。三番目の指が理解できず、「あ、はい、薬指です」と答えましたが、もしかして間違えて切開されているのでは?と一気に不安に襲われ、自分の心拍数が少しだけ早くなったのを覚えています。そのあとすぐ「あ、あったあった」という声が聞こえてきたので安心しました。もし指を間違えて切開されていたらこの手術はいったいどうなっていたんだろうと今でも思います。

その後、何かで自分の指先が縫われている感覚があり、ガーゼと包帯と防水テープでぐるぐる巻きにされ締め付けられる感覚があり、あっという間に手術は終わりました。先生曰く腫瘍は深く、骨まで達していたたため、なかなか見つけることができなかったそうです。体の器具がいろいろ外され、ゆっくりと手術台から起き上がるよう促され、手術室を後にしました。出口の近くに手術時間が書かれているのを発見し、麻酔時間を含めても30分以下で終了していることに驚きました。エレベーターを待っている間に取り出した腫瘍を見せていただいたのですが、とっても小さな薄ピンクいろっぽいちいさなまるい塊で、こんなものが4~5年私の指先にいたのだと思うと、少し不思議な気持ちになりました。

その後、お会計へ。およそ2万2千円でした。痛み止めと抗生物質の処方を受け、病院には約1時間ほどの滞在で終わりました。手術全然痛くなかったなあ~!とメッセージをくれた家族や友人全員に送るほど謎のハイテンションになっていましたが、この後とんでもない術後痛に襲われます。

ということで、術後編に続きます。



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