【詩】 観客鬼
あたしの音楽会の観客は
赤鬼と青鬼だけだった
攻められてばかりだからか
とても疲れているようにみえた
お客様を励ましたい
心を込めてピアノを弾くんだ
ホールの天井から
おたまじゃくしが降る
びちゃびちゃとおびただしい数
床に叩きつけられた
死んでいた
いくら強く叩いても
ピアノが鳴らない
励ましたいあたしはただ
ただ励ましたいだけなのに
あたしはピアノを叩き続けた
客席の
青鬼の角は折れている
赤鬼の顔は赤い
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詩集 マチ子の欠けら
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