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後悔しない!新型コロナワクチン、納得接種への道 其の4【#だから、ワクチン それから?】

紙面に掲載しきれなかった旭川市からのインタビュー全編を、個人的に公開します!

 ワクチン接種は任意ですが、皆さんの意思に任せるには、皆さんが納得をして接種を受ける・受けないの判断のための正しい情報は残念ながら少なすぎます。薬剤師の視点から新型コロナウイルスワクチンを紐解きます!


 納得接種への道 其の4は【#だから、ワクチン それから?】



ーーー今後、我々は新型コロナウイルスとどのように付き合っていかないといけないのでしょう?

 今後、新たな変異ウイルスに対抗するための武器はこれまでお話してきた「ワクチン」です。

 幸い、発症予防に対する有効性は非常に高いことは【其の2】でお話ししました。しかし、感染を防ぐ効果は完全ではありません。ワクチンの接種率が高まり、新型コロナウイルスが拡がりにくい社会になれば、徐々に行動を元のようにしていくことは可能かもしれません。

 それまでは、なまらシンプルな対策である、「マスク」「手洗い」「密を避ける」「換気・加湿」ことを引き続き続けなければなりません。

 今回は、各対策について細かくみていきましょう。


ーーーマスクのポイントは?

 「マスク」はぜひ、不織布マスクを使ってください。

 ウレタンマスクや布マスクは息もしやすく、おしゃれでかわいいですよね。着けなきゃいけないマスクを少しでも楽しくファッショナブルにしたい気持ちも良くわかりますし、危機を楽しむ素晴らしい発想です。

 また、夏は暑苦しくてウレタンマスクつけたいですよね。でも通気性がいい分、ウイルスもしっかりと通過してきます。しないよりマシですが、ぜひ、可能な限り不織布マスクを使用してください。

 どちらかがマスクを着けていればOKということでもありません。相手の飛沫を浴びないことよりも、相手に飛沫を浴びせないことを意識して、登下校など話すときはお互いがマスクを着用することをお願いします。

ーーー手洗い、改めて気をつけることはありますか?



 「手洗い」は必ずしもアルコールでなくても構いません。

 流水で石けんを使ってしっかりと洗い流せるなら、肌荒れも抑えることが出来、十分な効果もあります。

 商業施設等のアルコールを使うときは、もったいないと思わず、たっぷり手に取って、すべて揮発するまでよくこすり合わせてください。ちょっとだけ手に取って一生懸命こすっている人を良く見かけます。それではなんの意味もありません。

 1回に必要な量は、専用のポンプ式容器であれば、ポンプを押し切った分が1回の目安です。

ーーー三密を避ける、これは結構できていると思いますがどうでしょう?



 いわゆる3つの密である密集・密閉・密接のうち、デルタ株の拡大により最も重要なのは「密閉」を避けることだと考えています。

 ソーシャルディスタンスを意識して、密集・密接を避けることは、この1年半で皆さんしっかりと出来るようになってきていると感じます。しかし、デルタ株は感染者から排出されるウイルス量がとても多いともいわれています。

 密集・密接を避けても、人が動けば空気が動き、極めて小さな飛沫に含まれるウイルスは距離を超えてきます。密閉を避けるための「換気・加湿」が出来ず、ウイルスが環境中に存在すれば、感染確率は高くなります。

 北海道、旭川はこれから、寒く厳しい季節を迎えます。これまでと同じ換気への意識では不十分だと思います。ぜひ、換気について気持ちを入れ替えて実践してください。

 換気の目安にはCO2センサー(二酸化炭素濃度計)が有用です。

 学生の皆さんの学校には「学校薬剤師」がいます。学校薬剤師は皆さんの学校の環境を整え、健康に勉学に励むことが出来るよう、様々な取り組みを行っています。

 そのうちの一つが、教室の空気の検査です。

 休み時間などに窓を開けて換気をしないと、たくさんの学生さんが集まる教室の二酸化炭素濃度はすぐに上昇します。二酸化炭素濃度が上がると、息苦しさや倦怠感など様々な体調不良を起こすことがありますが、コロナ禍ではさらに新型コロナウイルス感染のリスクも高くなります。

 ぜひ、意識して「換気」をするようにしてください。


ーーー最後に、薬剤師の視点でメッセージを!


 ウイルスは自分自身では増えられません。人の工場を使って増えます。この工場で増える途中でエラーを起こしたものが変異ウイルスです。

 つまり、我々がウイルスに感染を繰り返させなければ、新たな変異ウイルスが生まれる確率も小さくなります。新たなウイルスが生まれなければ、ワクチンの有効性もこれまで通り高く維持されたまま、強力な武器になり続けます。

 我々医療従事者は、感染対策とワクチンの接種を両立して進めるため、様々な対策を行っています。また、運悪く感染してしまった場合でも、速やかに治療が出来るよう保健所と連携を密にし、「医療の最前線」で準備を進めています。

20210826北海道新聞

 まだしばらくは、大きな負担を強いることになるかもしれません。

 しかし、多くの市民のみなさんが「予防の最前線」で予防接種にご協力いただき、感染の広がりを抑えることが出来れば、少しずつ元の生活に戻っていくことが可能かもしれません。

スライド1

 ワクチン接種は任意ですが、ネットのデマや陰謀論、メディアの煽りを真に受けず、正しい情報を基に納得し、後悔のない選択をしてください。

 そのために、身近な薬剤師や北海道薬剤師会が運営するワクチンコールセンターをぜひご利用ください。

旭川市接種の受け方

 皆さんがポストコロナでやりたいことは何ですか?

 あなたと、あなたの大切なだれかの「やりたい」を実現するために、予防接種にご協力をよろしくお願いいたします。


とりあえず、いったんおわり

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