競技に終止符を打つということ

後輩が練習日誌用のnoteにて、大学陸上におけるハッピーエンドについて書いていました。彼は「全カレで決勝に行くこと」だと述べていました。なぜ全カレなのか、はわかりませんが、信じられないほどのリソースを割いている陸上で、大きな成功体験を得たいとのことでした。

これを読んで、僕も僕なりに「大学陸上のハッピーエンドはなんだろう」と考えてみた。これかな?と思う答えは案外簡単に見つかったので、ここに備忘録的に記してみる。


留年までして部活に残って欲しかったもの、それは『陸上を諦める覚悟』です。

どんなに努力しても絶対に勝てない壁にぶち当たりたい、そこで陸上で頂点に立つのに必要なものは才能だと感じて陸上を嫌いになりたい。


この部活に入ってからというもの、私はどうしようもなくスポコン人間になってしまった。感動を動機に情熱を持って取り組めばなんでもできると、未だに心のどこかで信じている。今年も今年なりに頑張ったつもりだが、限界はまだ見えてこなかった。僕の陸上の深淵はもっと深くにあるらしい。

それでも、頭では陸上は大学で手放さなければならないとわかっている。中距離選手として実業団で食っていけるほどの走力はないから、社会人では次のステップへと行かなければならない。


その気持ちと建前のせめぎ合いに決着をつけること、これが僕の大学陸上のゴールだと思っている。どこまでも貪欲で負けず嫌いな自分をも納得させるほど、戦って傷ついて満足して終わりたい。

これに成功すれば、恐らく陸上のことは嫌いになると思います。結局、全国で勝つには体格や環境が必要になるとして嫌になる。それでも、満足して笑顔で終えられると思う。なぜなら、自分に嘘をつかず、自分の全てを出して戦ったかけがえのない経験になるだろうから。


陸上競技に終止符を打ち、自分の人生の第2章を始めるために、ドラマティックではなくてもいいから、もっと22年間を締めくくる走りを目指します。僕にとって走るとは、ここまでの人生の積み重ねの表現なんだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?