ジニィ・イン・サイバーランド
バヅン!
ひったくりから放たれた帯電弾は狙いを大きく外し、張り出したパイプを撃ち抜いた。一瞬の放電で雨の路地が閃光に満ち、目が眩む。違法スタングレネードも無効化するアサルトメットさえあれば問題じゃないんだが、如何せん通常パトロールで持ち出していい物でもない。一瞬立ち止まり、すぐに駆けだす。
〈そいつ麒麟屋の下っ端だ!逃がすな!!〉
耳元でタツキの通信が響く。被せるように第二の銃声。俺の前を行くミハナが盾となり、そして脚を止めた。防弾防刃防雷でも所詮はインナーだ。クソッ!