アカシック・カフェ【二つの扉】
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その瞬間、表情は、はっきりと変わった。あからさまに変わった。ここまで変われば、どこまで朴念仁だろうと一目でわかるだろう……。表情を作るのが苦手な俺にとっては、いっそ羨ましいくらいにはっきりと、彼は落胆した。
「……あくまで過去、ですか」
「……えぇ。過去の真実。未来予知はできません」
あまりの顔色の変わり具合に、思わず説明を止めて数秒。他に誰もいない店内に、ぽつりと確認が来て、それに俺が返して、また数秒、沈黙。メインストリートから一本入っ