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#6 さるうさぎの生きる道

初めてのこと
それから家に入ろうとすると、大きな音がした。私はお母さんに近づいた。
見てみると、目の前には大きなものがあることに気づいた。お母さんは泣くのも忘れて、

「人間だわ。」

と言った。沙留卯(さるうさ)は、

「これが、人間。」

と言った。お母さんは黙って頷いた。すると、さっきほどではなかったけれど、また大きな音がした。

「あそこにいるうさぎを見て、『うさぎちゃんだ!』って言っているのよ。」

お母さんはそう言いました。お母さんは10年生まで学んだ優秀な生徒だったので、5年生以上で習う人間語の基礎はもちろんのこと、難しい単語も知っていた。もし、人間の8才くらいの知識とお母さんの知識を比べたなら、お母さんの方が絶対上だろう。

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「XXXXXX◎◎◎◎◎◎」

また人間が喋った。

「私を指して、『このうさぎ、すっごく可愛い。』だって。」

と、またお母さんが通訳してくれた。そのあと、その人間はしゃがんで、お母さんをなでながら、

「私、美香(ミカ)。よろしくね。あなたは……サエ。」

と言った。美香が付けた名前は結構いいせんいっていた。お母さんの名前は美絵(みえ)だったからである。

そして、美香はまた喋った。すると、突然お母さんが美香を引っ掻いた。美香はすぐ去っていった。沙留卯は何がなんだかよく分からなかった。

実は沙留卯を見て、

「変なの。全然可愛くな~い。」

と言ったのだった。これなら、お母さんが怒っても無理がない。

「お母さん、さっき知らないうさぎがもってきた葉っぱ、何だろう。」

「家に入ってからみてみよう。」

お母さんは少し興奮気味だった。

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