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#2 さるうさぎの生きる道

「どうしたの、ウッキー。しずんだ顔してさぁ」
猿江(さえ)が言った。

「なんでもないよ。あのさ、うさぎに悪口言われたことある?」

「ウッキー秘密だよぉ。実は私ねぇ、5年生の杉葉 生瑳奈(うさな)に『猿なんかいなくなっちゃえばいいのよ。特に、あなたのように醜い者ね。』って言われたの。でも、うさはそんな兎じゃなくて良かったね。ウッキー。」
猿江は小さな声でそういった。

「杉葉 生瑳奈って、うさの姉でしょ。」

「うん、そうだよぉ」
沙留卯(さるうさ)はうさも同じようなものだと思った。でも今、口に出すと自分の身が危ういと感じたので、猿江に言うのをやめた。

「山中さんと花山さん、今、姉のことでなにか悪口言ってなかった?」
うさが後ろから急に来て、そう言った。

「何にもいってないよ」
少し怯えて同時に沙留卯と猿江は言った。

「それならいいけど。」
うさが皮肉ぎみで言った。

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