見出し画像

#1 さるうさぎの生きる道

はじめに
時は、XXXX年。 あるところに、沙留卯(さるうさ)という生物がいた。それは猿と兎の間に生まれたのであった。そして、今も猿の群れで暮らしている。沙留卯が生まれたころ、猿と兎の関係はとても良かったのだが、だんだん大きな争いが生まれてきた。

猿と兎の学校

画像1

猿や兎にも学校はある。沙留卯が通う学校には、猿が314匹、兎が266匹いる。最上級生は10年生であり、最下級生は1年生という決まりだ。学校は1歳半からで、沙留卯も1才半から入り、もうすぐ2才半だというのに、まだ2年生。そして、沙留卯のクラス2年2組のトップは、「杉葉うさ(すぎば うさ)」という、まだ1才のうさぎ。沙留卯はもう、たまらなくてたまらなくて、うさに文句を言う。
「毛むくじゃら!ぼわぼわ頭!長耳!」
でも、うさは教室では一言も言い返さない。なのでいつも沙留卯は先生から、
「何でそんなこと言うの!もうあなたは勉強もできないし性格も悪いしいいとこなしね」
と叱られる。でもこれで終わりと考えるのは甘い。休み時間になると、うさは沙留卯を引っ張り出し廊下で、
「もう二度とあんな事言わないで。私の私生活成績が悪くなるじゃない。今度、変なことやったら、毛を三本抜くわよ!」
というのだ。いつも、うさは隠れてやっているので、先生にも怒られないし、みんなも優等生としか思っていない。なので、怒られるのは、いつも沙留卯だけ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?