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写真の「前後」と作品の持つ「引力」について。それから写真NFTの事について少しだけ考えました。

こんにちは、フォトグラファー兼スプラトゥーン愛好家のゆーいです。先日、渋谷にあるNFTシーシャバー”Singularity Tokyo”さんにて、国内の写真NFTプレイヤーの作品を集めて展示しシーシャと共に楽しもうという趣旨のイベント、”PHOTO NFT NIGHT”を開催しました。そこで感じた写真の可能性について、忘れないうちに記憶しておこうと思います。

作品の持つ「引力」について

引力という言葉を使ったのでその意味について少し深掘りします。分かりやすいのでNFT市場においての写真とイラストで比較しますが、正直なところそこまで写真NFTは盛り上がっている訳ではありません。決して売れない訳ではありませんが、有名イラストレーターさんのオークションが毎回盛り上がり、数ETHまで値段を付けてもらえるような方が何名もいる。そういった状況では無いのが写真NFTの現在かなと思います。「引力」という言葉ですが、僕は「その作品を欲しいと思わせる力」と考えており、先ほど例に挙げたイラストレーターさんの作品には、強烈な引力があります。これまでその人の事を知らなかったとして、たまたまタイムラインで流れてきて作品の事を知ってから「欲しい」と思わせるまでの時間が圧倒的に短いと感じています。実際に、僕も資金に余裕があれば本当に欲しいなと感じるイラスト作品に、ここ1年の間に何度も出会いました。しかも、イラストNFTに対して起こる感情で、これがまたフィジカルだと違うなと感じるのが不思議な所です。似たような感覚の方は結構いるのではないかな?と思ってます。
では写真に対してはどうでしょうか。その作品を、一瞬で「欲しい」と思わせるような引力はあるでしょうか。残念ながら写真でそこまでの引力がある作品は少ないと感じます。しかし今回のイベントを通じて、これは写真の性質なのかなと思うキッカケがありました。

写真の前後について

では、写真作品には魅力がないのでしょうか?そうでは無いと信じています。それを今回のイベントで強く感じました。写真には必ず「前後」があります。作家としてのステートメント、撮影に関する準備や試行、編集過程などなど写真家それぞれのこだわりや物語があります。いくらタイトルを丁寧に書いても、分かりやすい説明文を準備しても、一瞬では伝わることのない魅力があるんです。決してイラストにそれがないという訳ではなく、写真を読み解く上では特に大切と感じる、と捉えて頂ければと思います。
今回のイベントでは、主にお店で所有している写真NFTと、僕が直接お声掛けして作品をお借りした方の作品を展示させていただきました(他にも公募作品も展示しております)。というのも、僕がゲストスタッフとして滞在する間、その方の、その作品の事をしっかり説明できる状態にし、来店された方に作品の素晴らしさについてお伝えしたかったからです。
結果的に、オープンしてから10時間ほど、ほぼ休み無く来店された方に展示作品の魅力について語り尽くしました。
もともと写真に詳しい方とは、より込み入った撮影の話やお互いの作品作りについて話したり、展示作品を眺めながらお互いの視点で写真を読んだり。また、写真に詳しく無い方も数多く来店いただき、表示されている作品の説明や、撮影地のこと、なぜこの作品を展示させてもらおうと思ったのか?などなど解説しておりますが。そこで大きく手応えを感じたのは、これまで写真について興味がなかったor魅力がわからなかったと言う方にも、説明する事で写真の魅力に気付いていただける事が多々ありました。
瞬間的な引力はイラストには叶わないかもしれませんが、作品の「前後」を含めて見てもらえた時にこそ、写真には強力な引力が産まれるのではないかと感じた瞬間です。

最後に、今回の展示にご協力いただいたフォトグラファーの皆様ありがとうございました!直接DMにてご連絡しましたが、こちらにも感謝の言葉を残しておきます。
イベントはまた開催するかもしれませんので、もし今回来れなかった方も次回は是非!より楽しんでいただけるイベントになるよう、今回の経験を活かして企画します。

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