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世間も賑わす、我社の某イベントの舞台裏

そして、ついに、我が支店での大規模イベントが始まる。詳細は、非常に書きづらいのだが、ちょっとしたミス程度のものでも、社会への影響が大きく、場合によっては、ニュースに取り上げられてしまう。なので、どうしても、みんなピリピリとしてしまう……。

このイベントの本社とりまとめ部署には、幸い、私の前勤務先の部下がいるため、本部とのコミュニケーションはとりやすい。彼とは、立場逆転とまではいわないが、結局、そんな元部下から厳しい意見をもらったりすると、複雑な気分にもなりつつも、彼も頑張ってるんだなぁ、と頼もしくも感じる。

ただ、私には、彼が以前から言っていた言葉が、ずっと引っかかっている。それは、このイベントが、
「様々な犠牲のもとに成り立っている。」
という言葉だ。

まあ、確かにそうだ。まだ、働き方改革という言葉が出てきて間もない頃に別の支店で同じイベントを経験済みだが、その時は1ヶ月間休みなしで、毎朝いつもより早く、夜は終電を逃してタクシーによる帰宅。過労死ラインといわれる残業の倍の時間を2ヶ月間続け、私の体にも異常が出ていた。

それに加え、業務の内容も決して軽くはなく、接客をやりながら片手間での大量の事務をさばかなければならない。そして、ちょっとでもミスがあれば、マスコミが喜んで記事にする……。当時は、どの支店にも、出社できなくなる人が出てきていたし、そうなると、残った社員に更に負荷がかかる。サバイバルゲームだ。

私もあれから歳を取ったし、体も年々弱くなり、心配事はつきないのだが、幸い、今回は、イベントの関わり方もちょっと違うし(以前は平社員で主担当、今回はチームリーダーで副担当)、少しは気分も軽い中、幸い以前と全く同じ業務もあり、思い出しながら即戦力で活躍できそうだった。

今回の具体的な業務は、イベント会場の現場責任者を含めたマネージャー業務とでも言えようか。日替わりで入れ替わるバイトや他部署からの応援社員の休憩などの分刻みのシフト管理、同じく日替わりで変わる責任者などへの日々の業務説明。朝礼終礼における司会進行から、日々の連絡事項伝達……。

その他、お客様からの苦情対応や、アルバイトからの愚痴を聞き、やる気を出させたり。昼休み時間帯には、私も現場に入ったりするので、お昼はだいたい15:00前後からだ。どこまで現場に任せるかで、楽も出来る仕事だとは思うが、以前の支店とは異なり、ここではしっかりとした体制で、まずは、それに従うことにした。

とはいえ、私もこの業務をひとりでやる訳ではない。ここでは初めてということもあってか、もうひとりペアがいて、彼と日替わりで担当したり、軽微な事務(報告書や日々のシフトの作成印刷など)は、完全に彼にお願いしていた。

ただ、始まって、1週間が過ぎた頃だっただろうか。まず、この私のペアである彼がダウンした。ストレスからの腹痛と発熱により出社できないという。幸い、その頃には、私も一人で現場を回せるようになっていたので、事なきを得た。

彼が自己管理できていない、ということで、彼のチームリーダーがあきれていたのだが、その数日後、なんと、そのチームリーダー自身も頭痛で出てこれなくなったのは、なんだかほほえましくも感じた。

そんな中、私は……実は、イベントが始まってすぐ、タイミング悪く、家族の下痢症がうつり、毎晩夜中に勢いよく噴射される水下痢にほとんど寝られず、日中も、たびたびトイレに駆け込むだけでなく、食事も満足にとれず、日々やつれていったのだが、周りもそんな感じなので、私のやつれも目立たなかったようだ。

もっと具体的に書けば、実は、通勤途中にオナラが出るかと思ったら、出てきたのは液体であり! あわてて駅のトイレに駆け込むも、一旦家に帰る時間もなくパンツをトイレに捨て、ノーパンで電車に駆け込み、会社近くのコンビニでパンツを買うまでは、いてもたってもいられなかったのも、今となっては貴重な体験だ。

幸い、お腹の風邪も、1週間程度でよくなり、快気祝いとして、お昼に「うな牛丼」をペロリと食べれたときはうれしくて仕方なかったのだが、周りが日々元気がなくなっていく中、私一人がどんどん元気になっていく姿に、逆に、周りに変な心配をかけてしまったようだ。

そして、いよいよ始まるイベント最終日。基本的には、私のマネージャー業務は、この最終日の前日までであり、最終日の仕事は、私にとってはオマケのような担当業務だ。ただ、とにかく束縛時間が長い。

イベント当日の朝は、いつもより2時間くらい早めにアラームをかけて起きたのだが、イベント終了後にホテルに戻って、ちょうど寝ようとしたときに、その同時刻のアラームを聞いてしまい、まあ、要は、24時間起きていたということだ。

ホテルと書いたが、わざわざ家に帰る時間も手段もないことから、会社から徒歩圏内にあるホテルを連泊することにした。当然に、自腹なのだが、背に腹は代えられない。睡眠時間といえば、このイベント期間、幸い、日々、だいたい毎日6時間くらいはとれていただろうか。直前も、4時間半程度はとれただろう。

ただ、実は、イベント終了後も、会場の都合から、片づけを早急に終わらせる必要があるため、朝も早くから出勤しないといけない。なので、イベントが終わっても2時間程度の睡眠で片付けに入る必要がある。本当に体力勝負なのだが、なぜか、頭もすっきりしているから不思議な気分だ。

取り急ぎ、終わってしまえばこんなもの……か。後日談については、別途投稿する。

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