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AIのべりすと攻略 文章スタイル2

 まだ読んでない方は、先に前回のテストを参照する事をお勧めします。

 さて、前回でいう見上げたテストで片っ端から試してみたのですが、初期テキストとの相性が無視できなくなってきた、というのが正直な感想です。
 またノイズも情報量が増えれば、おのずと消える可能性があります。

 要するに、最低限の情報でフラットな結果を……というのも、十分実験として偏っている訳ですね。かといって最適の実験を行うには回数を増やすのが不可避で、無課金には荷が重い

 よって上手くいった例だけをメインに提示していく事にしました。
 少ない情報から強い影響力を発揮できたなら、相性的に並~良での効果が期待できますが、逆に影響力を発揮できない場合はたまたま相性が悪かった可能性を否定できない為です。

[(項目): (要素)。]
 上記の構造で(項目)には"雰囲気"を採用しました。
 影響力が強く、即効性が確認されたので、こういったテストには向いているからです。また前回と同じく、ノイズの影響が強い結果は排除し、回数を補填する事にします。
 どの単語を使っても、こういった結果は一定確率で出るためです。

 今回は最初からリスト化していきます。前回と比べて、物量が多すぎるための処置です。見比べも面白いので、機会があったら別の頁にでも纏めようかと思います。
 ここから下はリスト所感になります。

ふと少女は空を見上げた。
(改行)

投稿サイトのタグを試した要素
・冒険:少女が自分が異世界から来たと認識する。
 異世界転移ものに向いた要素。
・学園:確実に学校や教室に言及される。
・ほのぼの:花畑などが登場するが若干、不穏の前振りっぽい空気あり。
・VRMMO:ステータスが表示されてしまう。
 扱いにくそうだが、想定通りの効果。
・ざまぁ:ダーク寄りの展開、少女が復讐を誓う事がある。
・ハーレム:地の文において少女への言及が増える。
・グルメ:少女が建物に入る。ほぼそこは飲食店だ。
・剣と魔法:王都や魔物が登場する。
・アクション:少女が行動的になる。剣を手に取る事も。
・魔王:少女が邪悪か危険な存在であることが示唆される。
・オリジナル戦記:少女がこの時代の戦争について、物思いにふける。
・チート:少女による陶酔的な自問。――私は一体……
・人外:ダークな展開。……。という末尾が複数回。
・伝奇:とりあえず影が視界に入ったり、横切ったりする。
・バトル:魔物が襲ってきたり、少女が魔法を使う。
・怪獣:モンスターが複数でてくる。翼竜と巨人が一気に登場した。
・ヤンデレ:少女の言動がヤンデレっぽくなり、死ぬときの一人称が
 "私達"になる。
・ダークファンタジー:暗かったり、重かったり、残酷だったり
 不安定だが要素名の範疇。
・スペースオペラ:少女が宇宙に憧れる。不安定。
・戦争:少女の居る場所が戦地になったり、仲間の事を考える。
・カオス:アライメント上のカオスかと思えば、支離滅裂だったり。
 まさにカオス。

AI Dungeonで実績がある単語の和訳
・物語
:方向性なし。事実→追加説明のような語り口が増える?
・冗長:方向性なし。気取った文章。比較的、……が多い?
・演説:少女が語り始める。
・詳細:冗長な文章。だが、あまり間がもたない。
・英雄的:少女が英雄的な存在であるという前提で話が進む。
・陶酔感:少女が感動したり、神が現れ宗教的なシーンが発生する。
・明るい:儚げな場面が多い。むしろ暗さを排除してくれる単語か。
・ドラマチック:少女が感傷的に独白する。
・攻撃的:ドラゴンが少女を捕食。また地の文が月の形状を批判した。
・不吉:悲観的な描写。星を見れば、落ちて来れば人が死ぬと考える。
・紫の散文:赤系統の色を過剰に表現する。
・ロールプレイング:二人称的、語り掛けるような描写。あなたは違和感の    
 正体に気付きます。

 ええと、かなり物量があったので、この辺りに留めておきます。
 こういうのは必要に応じて、長い目で増やしていくのが得策そうです。

 成功例だけ抜き出しているので当然ではあるのですが、意外に顕著な効果が出たというのが正直な感想ですね。無軌道にツールを使ってるだけだと
実感できなかったと言いますか。
 実際には、"雰囲気"項目では強すぎる場合もありそうなので、並~弱の項目を使ったり、AI Dungeonの方では複数の要素を指定して、影響力を中和する事が勧められています。また、物語よりキャラクターの個性を定義するのに相応しい単語もあるそうです。

 個人的に注目したのが、"紫の散文"でAIに影響を与える事を計算して設定された項目だと感じました。
 紫の部分を別の単語に変えてみるのも良いかも知れません。
 まだ、実証してないのですが、文章に影響を与えたい場合、展開に影響を与えず文章だけを変動させる要素形容を付け加えるというのは有効かも知れません。

 AI Dungeonで実績がある単語の和訳項目については、正直難しかったですね。"紫の散文"くらい顕著であれば問題ないのですが、よほど強い効果と特徴がなければ文体の変化を判断する事ができません。
 長く創作に活用しないと分からない要素、というのも多分あるのだと思います。

 で、ここからがあまり上手く行かなかった要素です。
 改めて注意しますが、要素の弱さ以外の要因も否定できないため、あくまで参考程度に留めて置いてください。

・主人公最強:あまり一貫性がない。
 少女に限らず力を持った個人が描写される事がある。
・ダーク:暗くはなるが一貫性が薄い。初期テキストが
 元々寂寥感のある描写に繋がり易いため判断が難しい。
・ギャグ:効果があるように見えなかった。
・オリジナル:ノイズ多め。効果がほぼ無いのは妥当な結果か。
・ロボット:むしろ町や日常の描写が増える。
・スローライフ:あまり一貫性がない。
・ファンタジー:あまり安定しない。幻想的な場合もあれば、
 無個性の場合も。
・ヒーロー:それらしき要素が確認できず。
・変身ヒーロー:飛んでる鳥が人に変身した。
・スプラッタ:黒い単語が出やすい程度。たまに月が出血する。
 初期テキストとの相性問題?
・男の娘:少女や日常の描写が増えるだけ。初期テキストとの相性問題?
・戦闘:不安定。TRPGリプレイのノイズが多く、判定させようとする。
・サイバーパンク:安定しない。稀に少女がアンドロイドになるので、
 初期テキストとの相性問題。
・ミリタリー:不安定だが、少女がライフルで発砲するパターンを確認。
 初期テキストとの相性問題。

・おしゃべり:方向性なし。展開がランダム。
 ファンタジーや現代オカルトになりうる。
・鮮やか:傾向不明
・独創的:傾向不明
・散文:傾向不明
・聴覚の説明:あまり望む効果がでない。
 別の単語を探したほうが良さそう。
・エキサイティング:望む効果がでない。興奮的など日本語の方が良い?
・探索:安定せず。初期テキストとの相性問題?

 例えば条件上、主人公が定義されていないので主人公最強は明確に不利な条件ですし、一貫性がない相性問題初期テキスト次第で、色々変わりそうな雰囲気はありました。
 ヒーローにあまり効果が見られなかったのが個人的に意外でした。
 イメージはあるものの、本来の単語が広義すぎるのでしょうか。
 戦闘は多用される単語の割に上手く行かなかったのですが、これはバトルアクションで代用可能ですね。

 鮮やか~散文は文章ソムリエでもないと判断が難しいと思える結果に。
 長く使い続ければ、何らかの違いが見出せるかも知れませんが、少なくとも筆者には難しかったです。

 次の記事は閲覧しやすいリストまとめだとして。
 さらに今後はキャラクターブック(AI DungeonではWorld Info)の特殊な記述方式を試すのもいいですし、長編を書くための実践について書いてみるのもよいかと思います。
 要素を複数指定した場合の傾向も試す価値はあるでしょう。

 ただせっかく、AIのべりすと文学賞という企画があるので、長編の書き方について、色々と試してみたいですね。
 普通に書かせてみると、起承転結のうち承あたりで迷子になるか、登場人物が足りないまま既存の人物を動かし続けるという経験があるのですが。
 もちろん、自分で補うという力技はあるのですが、それ全部自分で書いた方が良くない? みたいな事になりますしね……
 綺麗な回答でも見つかればいいのですが。

 長編を上手く書かせたとしても、文学賞自体は大半を人間が書いた作品が賞を取るのは不可避な気がするのですが、さてどうなるでしょうか。

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