Shittiest Xmas


2021年12月25日

凍ったサン=ローラン川の上を走った。
積もった雪の中に向かってダイブした。
23時ごろ、道端でジャーキーを食べながら泣いた。
夜道の外灯がやさしく光っていて、腹が立った。
コンビニエンスストアに売ってるバナナの底が黒ずんでいて、舌打ちした。

誰かと出会うこと、優しくされることが以前よりも一段と増えて、誰かのことで傷つくこと、誰かとの縁が切れることも残念ながら当たり前になってきている。
こんなにも排他的なクリスマスは二度と無いと思う。二度といらない。
あたたかい家があって、家族がいて、美味しいご飯が用意されていて、愛されているような人たちのためのクリスマス。祝日のこの国ではほとんどのお店が閉まっていて、街はそのためにだけ暴力的なほど静かだ。

何となく、どこにも存在したくなくて延々と歩き続けていた。クリスマスソングを聴きながら愛する人の体温に包まれるひと、駅のホームの床に体温を奪われていくホームレス。

行き場もないまま歩き続ける自分の足元を見ながら、一歩一歩、雪を踏む音を聞きながら、鼻水をすすりながら、こういったことを頭の中で母国語以外で考えられるよう努力していた。
どこにも存在したくない夜、待っていたバスが時間通りに来なくて、寒さでバグった携帯の充電は切れたままで、雪の降るクリスマスの夜に、人通りのないバス停で数十分突っ立っていた。なんにもわるくない白く美しいだけの雪のかたまりを蹴ってブッ壊して、とぼとぼ家に帰った。

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