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【Utaku雑記】カラスはそこそこ計算してるんじゃなかろうか

こんにちは!生き急ぎ系男子のUtakuです!!

なんか思ったことを書きつくる【Utaku雑記】のお時間です.

前回はこちら↓


突然ですが,鳥にふんを落とされたことはあるでしょうか?

なんかこう歩いていたら肩あたりに少しの衝撃と「ぴちゃっ」という生々しい音…

自分ではなんとなくわかっているけれど,恐る恐る肩を見ると
「やられたぁ(´;ω;`)」


別に生物なので栄養を摂取→代謝からの栄養の搾りかすを排出するみたいな,ヒトもやっていることを実行してくれるのはいいんです.


でもわざわざ俺に当てる?なにそれ楽しいの?カラス界隈で流行っているの?


1.そんな過敏にならなくても


洗えば良いじゃんみたいな発想で,フンをつけられようとも笑い飛ばせばいいんでしょうが,ここまで過剰に述べ奉っているのには原因がありまして…

いつかはっきりとは覚えていませんが(中学生くらいかな?),Utakuは漢検の試験を受けに,近隣の会場である大学に自転車で向かっていたんです.

前輪の上部にかごがついた普通の自転車で行ってました.

そしてそのかごには,受験票やらテキストやらが入ったおニューのエナメルバッグが入っていました.
(今思うと私服にエナメルバッグはいかがなものかと思いますが中学生くらいだったので許してください笑)

そして意気揚々と受かってやるぜ!って感じで漕いでいたんですね

すると自分の目の前を白い何かが落ちて行ったんですよ.そしてエナメルバッグにぽとっ…(以下略)


結果的に
✅エナメルバッグにふん(by カラス)を落とされた
✅ファスナーにも侵入して拭くの大変だった
✅漢検に向かう途中だったので遅刻するかと思ったが1時間前に着く予定だったので間に合った
✅漢検には受かった笑

ということです.

「カラスも自分も直進しているのに何で当たったんだろう?」

なんか逆に天文学的数字で当たったと思うと特別な経験だったんじゃないかと思ったものです.( ゚Д゚)


2.状況のモデル化(誤)


どのような条件下でカラスにふんを当てられるのか気になったので概算してみましょう!(^^)/


ここで,”カラスのふん”だのう○こだの何回も書くのは下品な気がしてきました.

よって,ふんが食事という幸せな時間から生まれるものであることを考慮して,”幸福の欠片”と呼ぶことにしましょう✨

さて,幸せの欠片が落ちてくる状況は図1のように想像できるかもしれません.


カラス飛来

図1 幸せの欠片射出(?)


図1では,幸せの欠片は鉛直下向きに落下するということですね.

じゃあカラスは飛んでいる途中に、人間の真上に来た瞬間に幸せの欠片を射出すれば当てることができるのでしょうか?

でもこの考え方は間違いです.

というのも慣性の法則が無視されているのです.


3.状況のモデル化(正)

慣性の法則とは

ある物体が外力を受けないとき,その物体の運動状態は慣性系に対して変わらないという性質

のことです.

例えば図2のように飛行機の機内でペンを落としたとしましょう.


飛行機のシート

図2 飛行機でペンを落とす


図2の状況下では,機内の人全員にとってペンは地上で落とした時と同じように機内の床に落ちると思います.

でもよく考えてください.その飛行機自体も高速で移動しています.

よって,地上から見たらそのペンは飛行機と同じ速度で水平方向に移動しつつ落下していることになります


カラスから射出される幸せの欠片はこのペンと同じように運動します.言い換えれば,慣性の法則に従ってカラスの飛行速度と同様の速度で水平移動しつつ自由落下していきます.

ですから,幸せの欠片は正しくは図3のように運動します.


カラス飛来_正

図3 幸せの欠片射出


図3における矢印が,幸せの欠片の正しい軌道です.

水平方向の運動と鉛直下向きの落下が組み合わさった運動となるわけですね.

よって,図4のように問題を設定します.


パラメータ

図4 パラメータ設定


図4のように,カラスが飛行高さhの位置で移動速度vで飛行している場合を想定します.幸せの欠片をくらう人間は地面に静かに立っているものとします.また,人間に着弾するのがt秒後であるとします.重力加速度はgとします.

移動速度vはカラスの移動速度ですが,射出直後は幸せの欠片自体も同じ速度で運動することになります.


4.解こう(*👁ω👁*)


カラスが人間に幸せの欠片を当てるために,どのくらいの距離xから射出すればいいのかを求めます.

前述のとおり,幸せの欠片の軌道は
イ)鉛直下向きの落下運動
ロ)水平方向の運動
の2つに分類されます.


イ)鉛直下向きの落下運動については以下の式が成り立ちます.

画像7

この時間tは,幸せの欠片が地面に到達するまでの時間です.


ロ)水平方向の運動について以下の式が成り立ちます.

画像7

よって,カラスは地面に静かに立っている人間からこの距離xだけ離れた時点で幸せの欠片を射出すれば人間に命中させることができます.


5.具体的な値を求めよう


さて,4.ではカラスが幸せの欠片を人間に命中させるために必要な射出距離を求めることができました.

では,各パラメータに具体的な値を代入して数値を求めましょう.

重力加速度gはいわずもがな9.81 m/s^2とします
飛行高さhが100 mまでであるという報告例が存在します[1]
移動速度vは約56 km/h≒16 m/sという報告例が存在します[2]

よって,次のように計算されました.

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6.まとめ


いかがだったでしょうか.

今回の場面設定ではカラスは当てたい人間を見つけたときに、約72 m手前でふんをして当てているのでことになります.

対して,飛行高度と飛行速度は常に一定とは限りません.


よって,百発百中のカラスは文字式に数値を代入するくらいの芸当をやっているといえます.

でもいえないかもしれません.


計算しているかもしれないし,計算していないかもしれない.


とりあえず半径72 m以内にカラスが来た場合は、その時点で射出されたふんが当たるかもしれないので要注意ですね.


おー怖!


To be continued…


参考文献

[1]植田睦之,風向きに応じて飛行場所を変える渡り中のハシブトカラスとハシボソガラス,Bird Research,Vol.8,pp.S1-S4,2012.

[2]山岸哲,カラスの就時行動について 第1報 長野県下での秋冬のときについて,日本生態学会誌,Vol.12,No.2,pp.54-59,1962.

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