1600円のたまごやき(小)を食べた
普段は「あなたの行きたいところに行こう」と言ってくれる恋人が「水沢うどんが食べたい!」と言うので、それが嬉しくて苦手な早起きを頑張った。
恋人が車を運転してくれるので、助手席で盛り上げ役に徹する。何度も山の中のトンネルを抜け、標高が高くなるに連れ、耳の鼓膜がプチプチ鳴った。
目的地に近づくと、『水沢うどん』と書いてあるお店が立ち並ぶ。選び放題状態だけど、恋人はここに決めていたようだ。
群馬県 伊香保『元祖 田丸屋』
着いたのは朝10時だったので、まだ人は少ないんじゃないかと思っていたが、すでに7組くらいが料理を楽しんでいた。テーブル席に通され、メニューを開くと美味しそうなうどんの写真が並ぶ。
「冷たいのと温かいのどっちにしようね〜」と悩み、ひと通りページを捲るとそこにあったのは…
「「おいしそう!!!」」
私たちは、今日が楽しみで2人とも朝ごはんを抜いているので、それでより美味しそうに見える。メインの水沢うどんより先に「これ頼もう!」と決定し、もう1度メニューの方に目をやると「あっ…」と気付いてしまった。
1600円のたまごやき(小)
何度見ても、たまごやき(小)1600円〔税抜〕。私たちは静かにアイコンタクトをとって、最初に見ていたメインである水沢うどんのページに戻った。
でも、気になる。気になるので、またたまごやきのページを開く。美味しそう、本当に美味しそう。値段を知ってしまった以上、それも相まって余計美味しそうに見える。
「頼もうか?」と恋人が聞くので「いいの?」と聞き返した。すると恋人は「だって、1600円のたまごやき、今後一生食べることないかもよ」と笑った。
たまごやきが来るまでの間、私たちはたまごやきの話だけした。ここはうどんを堪能する店だというのに。それほど楽しみだった。
料理が届くと、初めての、そして念願の水沢うどんにテンションが上がって写真を撮り、「美味しそうだね」とはしゃいだ。その後、届いたのがこれ。
正確なサイズはわからないし、何かと比較できるような写真は撮り忘れた。けど、成人男性の手のひらくらいの大きさはあるのではないかと思うくらい、本当に想像以上の大きさだった。(クチコミ見たら、3人でも食べるの大変だったって書いてあった!そのくらいのボリューム感です)
「家で作る時、いつも卵1個だから……これって一体いくつ使ってるんだろう……」
たまごやきを目の前にしてから最初に出たひとことはこれだった。すぐにでもかじりつきたかったけど、まずはメインを楽しむ。
私が頼んだ、豚肉ののった温かいうどんは、優しいおつゆが平日仕事を頑張った私の心にしみる。豚肉は甘みがあり、うどんもコシがあってもうひと口、もう一口と箸が進むくらい美味しかった。
そして、たまごやき。最初は甘い!けど、噛むたびにジュワ〜っと出汁が溢れてくる。こりゃたまらない!とにかく満足感がすごい。ボリューム満点なだけじゃない。お値段には納得。そりゃそう、これだけ美味しいんだから。
うどんを食べて、たまごやきを食べて、うどん、たまごやき、うどん、たまごやき……。お店を出る頃にはお腹がパンパンで人生目初めて「朝ごはん食べなくて良かった」と思った。
1600円のたまごやき(小)、最初で最後じゃなく、またいつか食べられますように!
元祖 田丸屋さん、ごちそうさまでした!
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