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14:私の夢がひとつ叶った話。──映画『青春ゲシュタルト崩壊』情報解禁

 今日の空は、一段ときれいで青い。


 これは世界のどこかにいるひとりのエンタメ大好きオタクが、大好きな人やその人が見せてくれた景色について書き残した、ちょっとした忘備録です。

※何かのご縁で、筆者を知らないけれどこれを読んでくださっている方へ 筆者はTOBE所属、IMP.(あいえむぴー)のセンター佐藤新くんのことが大好きなオタクです。

フォロワーに起こされる朝

 惰眠を貪る私が、だいたい三度寝からぼんやり目覚めた頃だろうか。寝ぼけ眼で見た端末。Twitter(あえてそう呼ぶ)とLINEに、私を呼ぶ言葉が並んでいた。

「あらち!!!!が!!!」
「おきて!!!!!!Twitterみて!!、!」

ちなみに松井担と基担

 原文ママである。勢いがすごい。
 さすがにやんごとないことが起こっているのは、寝惚けた私にもわかった。どうやらそれは「佐藤新」に関連することらしかった。ので、飛び起きた。オタクは自分の好きな人の話となると俊敏になるらしい。

 まだ夢の中にいるのかと思った。
 だって、だって。W主演だ。一番手だ。


出会いと、執心

 私にとってこれがどういう意味を持つのか。それを語るには、まず彼というアイドルとの出会いの話からしなければならない。

 私が初めて彼を見たのは、前事務所時代に彼が出演していた『滝沢歌舞伎ZERO2020 The Movie』だった。忘れもしない2021年2月のことだ。平日、昼間、小さな映画館には私1人しかいなかった。大きな画面を独占して、私はとある別のタレントを目的としてそれを見ていたはずだった。そこに現れたのが、彼だった。
 彼は時代劇風の演目の中で、コソドロ役を務めていた。ストーリーテラーを兼ねるその役は、物語の随所でひとりでものを語った。──すごい逸材だと思った。その美しさは、あの事務所の中でもトップクラスだと直感した。それに、この演技のポテンシャル。その目。とてつもない引力を感じた。見惚れる、というのは、たぶんあのようなことをいうんだと思う。知識のない私は、きっと彼はデビューしているのだろうと思った。2日後、パンフレットを開いて彼の名前を知るまでは。

 この出会いだったからだろう、私は彼が“芝居をする”ということに、並々ならぬ執着心がある。というか、それを自覚している。人一倍彼の芝居を求めては、夢見てきた自負がある。それはきっと、あの日の彼に目を奪われたことが、それほど「くやしい」ことだったからなのだと思う。


佐藤新の芝居、とは

 そんな、やけにそれに執心ないちオタクが考える、彼の芝居の魅力について話がしたい。

 いちばんの魅力は「世界観に意識が沈む」ことだ。憑依とも違う。彼は彼の、佐藤新としての自覚や意識、思想、解釈をもってして、その役の人物に“なる”のだ。ぽちゃん、と泉に沈んでいくというよりかは、むしろ淡く淡く意識が穏やかに溶けていくような印象を受ける。これは曲が始まった時の瞬きでも見ることができる。“何色にも染まれる、それでいて、何者にも侵されない”と、私は表現するようにしている。どこまでも“誰か”なのに、どこまでも佐藤新の芝居ではあるのだ。彼の基盤が、経験が、考えの全てが、芝居という媒体を通じてこちらに訴えかけてくる。それが、たまらない。結局、人の心を動かすためには自分の心を動かせないといけない。彼は自分の心を動かして、こちらの心をぐちゃぐちゃにする。それに私は全く抵抗できずに、時には涙を流したりする。その感覚が、感情の手綱を彼に握られるあのどうしようもなさが、私は大好きだ。ただ無抵抗に、降伏することしか許されないのだから。

 同じくらい魅力的な点がもうひとつある。それは彼が「人物像を取りこぼさない」ことだ。今まで彼が出てきた映像作品を、ぜひ少しでいいから見てほしい。そしてその時、公式プロフィールを参照してみてほしい。彼は必ず、全ての行と行間に潜むその人物の性格、特徴、考え方、自己肯定感の如何に至るまで、その芝居に滲ませてくる。時折その種明かしをインタビュー記事でしてくれる人でもあるから、彼の語る言葉には目を離せない。解釈の深め方が、海のように深い。そしてそれを多くは語らず、芝居、それだけでこちらに伝えてくれる。テクスト論者的な私には有難い限りであり、求めていた演者の性質であった。


夢が叶った朝、期待

 そういうわけで、私は朝から新聞を買いにコンビニに走って、それから、ブラックコーヒーを片手にこれを書いている。一番手だ。だって、一番手なのだ。ずっと望んでいた、夢見ていた、あのひとの名前が一番手に並ぶことを。

 今回彼が演じるのは「派手な見た目と乱暴な態度で教師から目をつけられているが、人一倍痛みに寄りそえる高校2年生の朝比奈聖」だそうだ。前述の通り、繊細に、緻密に、彼の中での朝比奈聖を作り上げるであろう彼の芝居に、今から期待で胸がいっぱいになる。もう今日は何も食べなくても満腹かもしれない。単純な私の世界は、一段ときらきら輝いているし、空はいつもより青い。

 佐藤新くん、本当におめでとう。
 そして、私の夢を叶えてくれてありがとう。

 続報に期待しながら、このnoteを閉じようと思う。ここまでわざわざ読んでくれた物好きがいたら、心からの感謝と「よく読んだな」という作者らしからぬ言葉を送りたい。

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