舞台「あいつが上手で下手が僕で」

ドラマが終わり、舞台が終わり、年末。年が明けアーカイブ配信も終わり。明日に迫った社会復帰に向けてなんとか日常に頭を切り替えるため、そして少しでも記憶にとどめておくためにここに記録しておこうと思います。

舞台あらすじ

38(サンパチ)ファンタジスタ。それは一夜にしてお笑い芸人たちの人生を変える、夢の賞レース。

そんな賞レースを控えた湘南劇場では、いつもの調子でエクソダスが漫才を披露していた。
しかし、ひょんなことから他のコンビをも巻き込んだ、しっちゃかめっちゃかの大騒動に!
騒ぎの中、サカタと名乗る新支配人が現れ、無理やり幕を下ろし仕切り始める。
湘南劇場を立て直すというサカタは、今のコンビの相性は最悪、バズるためにはSNSだ!と強引にコンビをシャッフルさせる。
メンバー達は、即席コンビを組まされ動画投稿SNSでのブレイクを課せられる。
「バラバラ」になったコンビたちは、予期せぬ事態の連発で…。

コンビ解散の危機、そして目前に迫り来る賞レース。芸人たちの運命は、果たして…!?

https://kamishimo-stage.com/

と引用させていただいたものの実際舞台を観る前には特にあらすじを読んでいなかった。だいたいいつもそう、丸腰で臨んでしまう。
企画発表当初は正直2.5次元の俳優さんたちがお笑いをやるという想像がまったくつかずに困惑と心配と緊張が入り乱れていたが、ドラマを観たら毎週楽しかったので杞憂だった。このときはまさか舞台でガッツリとネタを観れるとは思っていなかった。

チケットを取り、年末が近づいて仕事が繁忙期に入ってからはとにかく毎日が憂鬱だった。深夜残業、休日出勤、やむをえず1公演は手放すことになってしまった。今となっては会社を一生恨みそうになるがそれもまたオタクの人生の1ページだなと思う。
そして迎えた観劇初日。鳴り響く出囃子とギラギラ板の上を照らすライト、そこにそびえ立つセンターマイクを挟んで繰り広げられる漫才にあっという間に心を奪われ、日常のすべてが吹き飛んでしまった。

というのが前置きで、とにかく舞台カミシモが最高だった!!!という話を2022年一発目から声を大にして言いたい。
以下、まずは38ファンタジスタに焦点を当てて各コンビへの感想。

らふちゅーぶ

安定感と貫禄、信頼のトップバッター
企画発表当初からこのキャスト陣の中ではぶっちぎりで芸人役のしっくり感がすごかった鳥越さん(主観)、登場即センターマイクの高さを調節する動作を見て改めてほらねーー!!!!と再確認。漫才師だ…

(※ライブや賞レースなど、一つのセンターマイクで代わる代わる漫才を行うため、各芸人が自分たちの背丈に合わせていい感じの位置にマイクを調整するのがデフォ。視線は客席に向けたままのノールックマイク調整は漫才師のかっこいい瞬間の一つだなと思います。)

というか蛇谷、高さの調整に限らず「4分間でお願いします」「ねこじゃらし」「もうええわ」とかマイクの使い方がうまくて、個人的にはこのあたりのリアリティが4組の中ではダントツに感じた。

そんな蛇谷が隣にいるので正直どう転んでも面白くはなるだろうな、と思っていた観劇前の私ですが、観終えた後にはそんな心構えでいたことを本当に反省しました。
だって鳴宮めちゃくちゃボケるじゃん!!??!蛇谷の反応を見るに突然のアドリブも混ざってたのかな。めっちゃボケるじゃん。初日と他公演を比較した印象、回を重ねる毎に動きも大きくなって、表情とか…良い……
あととにかく間がうまい。一番唸らされたのは「砂のないところでオシッコしちゃうんだよ」のところ。その後の猫のテヘペロ顔まですべてが良いな…
相方のボケでツッコミが素で笑っちゃうやつ、大好き。

繰り返しになるけど、一発目にらふちゅーぶを持ってくる出番順とても良かった。客席の中には普段お笑いを観ない人もたくさんいただろうし、実際私の周りのオタクにも多い。ネタの内容も漫才の形式もわかりやすくて、この二人のおかげで客席が漫才を見る状態に温まったんじゃなかろうか。

宮下さんのツイート。ほんとにそう!トップバッターとしては優秀すぎるけどトップバッターは実際の賞レースだとかなり不利…なので数年後のパチファンで良い順番引いた勢いのまま優勝してバカ売れしてくれ!!

ロングリード

ドラマだとロングリードはコント!!!なイメージあったけど漫才もちゃんとやってるんだ!というのが真っ先に出てきた感想。歌ネタっていうのがめっちゃ合ってた。
そして毎回衣装でオズワルドを思い出す。芸風はまるで違うけど。

初めて劇場に入った12/15のソワレ公演はつかみのところで直前のらふちゅーぶのネズミを拾ってて笑った。こういうの好きです。
劇場で初見した後に家で初日公演の配信を観…いやロングリードの空気めっちゃ重くない!!?実際の劇場の空気はわからんけど。少なくとも自分は重かった、とはいえこのソワソワ感にもライブを感じて緊張感はあれど良かったなあ。
で、実際は初日よりも先に15日の公演を観たわけだけど、これはめちゃくちゃ面白かった。初日の配信の空気の重さは全然感じなかった!全18公演のうち10公演目というちょうど折返しのタイミング、キャストもそうだし客席も仕上がっていたんだなあと。初見が初日だったらカミシモ舞台に対する感想もまた変わっていたのかもしれないので、いいタイミングで観れたなと思います。

でも初日から大楽にかけてのロングリードの伸びしろエグくない!!??
歌ネタってマジで難しくない?と思っていて、キャッチーでわかりやすいけど刺さらないと永遠に置いてきぼりにされてしまうというか…逆にハマるとずっと笑っちゃうんだけど。まあ歌ネタに限らず人それぞれ刺さらないネタは一生刺さらないんですが…(お笑いの難しいところ)
ボケの比重がかなり大きいネタなので、犬飼の歌と動きのテンポ次第で全く違う印象になるんですよね。そしてテンポが上がるとそれはそれでツッコミのタイミングとかスピードもバチッと合わせなくちゃいけなくて。公演中に二人でめちゃくちゃチューニングしたんだろうな〜〜〜というのがひしひしと伝わってきて、舞台後に田中さん・橋本さんのツイートを見て胸が熱くなった。やっぱり相方って良いな〜〜〜!!!
ネタのバリエーションもいくつかあったけど個人的にはアアア↑アアア↑のやつが好きなので大楽で見れて嬉しかった。あとソニー損保のくだり大好き。

湾野・犬飼というキャラクターの話をすると、これだけの役割を犬飼に与えている湾野はプレイヤーとしての彼にめっちゃ信頼を寄せているんだろうな……と思えるネタで一人で熱くなりました。同級生コンビってエモいよね。

アマゲン

当方エクソダス推しですが大楽のパチファンに観客投票システムがあったら絶対アマゲンに投票してた。ていうか会場の笑いも拍手もぶっちぎりじゃなかった!!?(体感)ずっと面白かったけど特に大楽はオチまで完璧すぎても〜〜本当にすごかった…
振り落とされそうなほどに強すぎる天野のキャラはもちろん、そのボケを受け止める現多の安定感、天野の暴走によりたまに二人でワーーッ!!となるところ、ずっとメリハリがあって大好き。
アクの強いキャラで笑わせてくると思っていたらちょっと言葉遊び的な部分もあったり。とくにオチの「カラ3つ」からの「カラ5つ」が好き。うまいな〜〜!と思ってたけど、大楽の「カラ3つ」からの「カラ6つ」からの追加のカラという流れがあまりにも鮮やかで、最後の最後ならでは…笑いを超えて感動してしまった。ほんと脱帽です。
ネタの面白さはもちろん、二人の間のとり方・かけ合いがうまい。初日のも面白かったけど回を重ねた後はやっぱり全然違ってた…梅津さんって何者なんですか?

ネタ中盤に挟むルパンのくだりも大楽バージョン好き。
脱線しますがルパンといえば今年のM-1敗者復活戦のキュウのネタもルパンだった。偶然の一致!ていうか天野も一見こういうロジカルなネタ書きそうなのに全然そうじゃなくて初見は度肝抜かれました。

すべて終わってなお、梅津さんって本当に何者なんですか?

エクソダス

正統派漫才の安定感。時浦が楽しそうにボケ倒してそれを全部拾って力強くツッコんでくれる島の安心感!漫才中、そして対時浦に限らず、和田さんのネイティブ関西弁強ツッコミが舞台カミシモの支柱になっていた気がします。この二人が中心にいてくれたからこの作品ができあがったんだなあと思わずにはいられなかった。

皆がツッコまれたくなるのわかる。前楽・大楽を観たときは皆が自由奔放にボケ倒しすぎてだいぶカオスになってたけどツッコまれたいなら仕方ないね。

正直エクソダスは好きすぎてネタの感想をどう書いたらいいのかわからない。浜辺でのやりとり、無人島で島が書いてきたネタ。使い古されたベタなネタでも時浦のセンスでマニアックなものに変わって、さらにそれを最大限に活かしてくれる島のツッコミ。ドラマから始まり、舞台のパチファン直前まで一貫して描かれてきたエクソダスの集大成がこれ!という納得のネタだった。脱線と脱線が繋がって輪になるのも大好き。
あと二人とも漫才しててめっちゃ楽しそうなので、観てるこちら側も一緒になってたくさん笑えました。TT兄弟のくだりとか実際「相方が楽しそう」って言ってたし。あと大爆走からのイエスフォーリンラブまでの流れがとても好き。息ピッタリテンポ最高。何も言うことがない…

浜辺のシーンで時浦が言っていた「お前がいるから安心してボケられる」がまさに体現された漫才で、エクソダス最高〜〜〜〜!!エモ!!!!!の気持ちでいっぱいになりました。
コンビって相方の才能や技術への信頼とリスペクトがないと成り立たなくて、そんな人たちが好きなお笑いでてっぺん取りたいという夢を応援して見守りたいよ…というお笑い芸人ファンの気持ち…

その他色々

  • マリーゴールドがめっっっっちゃいい!!!
    いや普通にネタが面白くて…言うことない。前楽と大楽のオチが特に好き。正直あのまま解散するのか…?芸人もキラキラしてるだけじゃないし、実際人気があっても解散する人たちは全然いるし…と悲しくなっていたところにパチファン。最高。ありがとう。希望でした。
    小笠原さんがマジでM-1出てたのもびっくりしました(帰ってから検索した)。

  • 天野キレッキレすぎ
    12/15初観劇から少し空けて大阪の前楽に入ったらなんかもうめちゃくちゃパワーアップしてた。梅津さんって本当に何者なんですか?全瞬間面白いので目が足りん。

  • 宮下さんのアドリブ祭り
    ゆかりが大楽で回収されてて笑った。カミシモ大阪公演のカオス代表ゆかり。あと序盤の女子バレー部「一本取ろ〜」が「撮ろう」にかかってて誰うまだった。個人的には大楽の「今年は笑って終わろ〜」からの和田荒牧宮下の流れが好きすぎ。

  • 舞台端いじげ拗ね時浦

  • 可愛い売り拒否してるのにライブが可愛すぎるロングリード

  • ロングリードの結成エピソードがエモすぎ、優勝

  • ていうか舞台でめちゃくちゃロングリードのファンになった

総括

いくら書いても足りないのであとはおとなしく円盤発売を待ちます。

意図があるかはわからないものの、年末まさにM-1の決勝戦が行われる時期にこの舞台を観れたことがとても嬉しかった。千秋楽の日程が決勝戦の後だったので、カミシモ→M-1→カミシモといったりきたりして楽しんだ。
舞台カミシモを見てたくさん笑った人は、ぜひ実際のお笑いのライブにも行ってみてほしい。どちらもさらに楽しめると思います。かくいう私も昨年はまったく行けなかったので、今年は久しぶりに行ってみたいと思いました。

そしてドラマ2期や舞台続編など、湘南劇場の芸人たちにまた会える機会が生まれることを切に願います。
カミシモ最高〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!大好き!!!!!!!!

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