限界女オタクが呪物展を見に弾丸大阪二人旅した話①


GWまであと一週間を切ったある日、フォロワーから空リプが来た。



豚の人は私のことです。

「GWは弾丸大阪しよ」



なんでもGW期間中に大阪でマジモンの呪物が展示されるらしい。

にしても急だ。急すぎる。まともな自制心と慎みを持った社会人なら諦めるか次の5/20‐29の東京展を待つ。

だが、オタク達に理性はなかった。

展開が早い。早すぎる。

その日のうちに宿泊と移動手段が決まった。

なぜか動物園にもアメリカ村にも行くことになった。

なぜなのかは当事者のわたしにも説明できない。強いて言うならその場のノリである。

話があった二日後には新幹線とホテルの予約が終わってやれ肉まんを食べたいりくろーおじさんのチーズケーキも外せないとお土産の妄想までしていた。


そして出発前々日の5/1、またオタクが暴走した。



このツイートの時点で面白かったんだから仕方ない

フォロワー「アメ村行くなら初日に行って買った服で二日過ごそう」




完全にバカの発想である。だが限界オタクにブレーキはない。
正直私も面白そうだなと思った。

あれよあれよという間に旅行ルールが書き換えられ下着以外の着替えは持っていかないことになった。


旅行当日になった。オタク達は根が引きこもりなので朝一番に行動なんてことはしない。きっちり余裕を持って11時の新幹線に乗る。

オタクなのでそれぞれ推しのぬいを出し隣の座席にいるのにツイッターで会話しながら目的地間近になってシンカンセンスゴクカタイアイスを食べる。シンカンセンスゴクカタイアイスは本当に固かった。目的地に着くまでに食べ切れたのは奇跡としか思えない。突き立てたスプーンがヤバい感じに曲がったからあれもう少し力込めてたら折れてたと思う。皆もシンカンセンスゴクカタイアイスを食べる時は時間に余裕を持って買おう。

そんなこんなで大阪についた。

呪物展の最寄り駅である天満橋駅へは新幹線到着駅の新大阪から御堂筋線、京阪本線を経由して20〜30分ほどで到着する。

土地勘のないオタク二人でグーグルマップをぐるぐる回し建物の中を突っ切らせてもらい道を行ったり来たりしてなんとか展示会場のある建物に到着した。

だが、問題はここからだった。

建物に入ってみて気づいたのだが、この展示予想以上に待機列が長い。
展示会場の2階から、地下1階まで人の列が続いている。
そしてこの列がなかなか動かない。当たり前だ。GWの真っ只中に呪物を見に来た人間達だ。そりゃあもう居座る。説明文の一字一句を熟読し四方八方から展示品を観察し雰囲気に浸りグッズを買い漁る。私だってそうする。

規模としては小さな展示だと聞いていたのですぐに入れるやろ🎶と思っていたが私達の見通しは甘かった。甘すぎた。
結局、呪物展に入るまでに40分ほど待っていた。待つ気が全然なかったので暇つぶしなんて当然用意していない。充電がヤバめなスマホをひたすら弄り続けるしかない。

呪物展には事前予約などは必要なく、入り口で入場料500円を払って入る。入ってすぐのところに祝祭の呪物展という垂れ幕がかかっており、その隣がもう展示だ。

ビルの一部屋程度の小さな展示なのだがそれがもう逆に雰囲気を作っている。

なんというか、すごい。

だってまず入ってすぐの人形と猫の置物のいわくがすごい。「本物」という感じがガンガンに伝わってくるしその向かいにはアイヌの儀式に使う祭具が置かれている。

どれもこれも普通に過ごしていたら一生のうちに出会わないであろうものがそこら中に展示されている。

しかも、ガラスケースなどには入っていない抜き身の状態で。

ひとつもレプリカなど存在しない。すべてが本物だ。本物の呪物達が何も隔てるものなく置かれている。

うまく言えないが、密度がものすごかった。

この「祝祭の呪物展」は怖がらせることを目的としていない。むしろ呪物を“祝う”という趣旨の展示である。

だが、私は圧倒された。

写真撮影もSNS投稿もOKということで最初はパシャパシャ撮っていたが、途中から撮影できなくなるくらいにはすごかった。

呆然としている私の隣で、同行フォロワーは元気に写真を撮っていた。

あれ?もしかしてこれ私がビビりなだけ?

展示品たち

ついでにフォロワーはしっかり物販をチェックし祝/呪ピアスも買っていた。

マジでこのピアスはかわいいのでこれから行く人は要チェックです。

そしてやはり怖がるのは良くないのか、呪物展からの帰り道、私の胸元のボタンが弾け飛んだ。

これは弾け飛んだボタン

素直に楽しんでいた同行者には何事もなかったのでこれから行く人達は怖がらずに楽しんできてほしい。


もう今日は眠いのでここまで。

次はアメリカ村での限界お洋服探しの話をします。