親との距離感がわからない
親との距離感がわからない。
親元を離れておよそ5年。
反抗期のまま実家を出たときは、絶対にこんな家には帰らないと決めていた。
だけど、ひとりで生活するのはそれなりに大変で寂しくて
実家を出て2、3年経ってようやく自分が与えられていた愛情に気づきはじめた。
親だっていつまでも生きているわけではない。
そろそろ自分が返してあげないと、という使命感みたいなものを抱きつつ
まともに会話もしないまま
自分の本心なんて言えたことのないまま実家を出てきたせいで、
親と会っても今更何をどうやって話せばいいのか
いまだにわからない。
去年の夏、久しぶりに帰省した。
最寄駅まで迎えにきてくれた父は、私が帰る2週間ほど前に自身がコロナになっていたと話してくれた。
「へえ。もう治ってるの?」
心配したのは事実だったのに
八つ当たりのような無愛想な態度でしか伝えられない。
「もう症状もないし2週間経ってるから大丈夫、うつらんと思うよ」
と、申し訳なさそうな顔で父は笑った。
父の表情を見てすぐに反省した。
責めたように受け取ったかな、久しぶりの再会なのに傷つけたかな、
こんな娘で、申し訳ない。
両親は、今までやりたいと言ったことはさせてくれたし
今だってやりたいことをさせてくれている。
愛されていたという自覚も出てきた。
親孝行をしたいという気持ちもある。
だけど、ぎくしゃくしたままのこの距離感の縮め方を
もう諦めかけている自分もいる。
このもやもやを、なんとか整理したいので
また思い出した時に書き留めてみることにする。