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みんなのあとがきが掲載される本の「こだわり」ポイント

はい、BIGHIGHです。福島さんの小説に自身の名前が使われていたことから端を発して、拝読したら熱く面白く想いが伝わったことから、もっと広まったらいいなと巻き込む人を増やすために始めた「【急募】小説のあとがき、頼まれてくれませんか?」、現在10名を超える手があがり、本日担当者締切の予定です。(すでに何名かあとがきもいただきました)

今回、本を記念として残していくため、国立国会図書館への納本を予定しております。本については、いったんは弊社が手作りで作ります!

といっても、弊社、出版社でもなく、印刷会社でもないので、ずぶの素人ですが…一度手作りした本がとても喜ばれたので、思い切ってやってみることにしました。

…で!

一応作るからには、やっぱりこだわるポイントがいくつかあるので、そのあたりをご紹介いたしますね。

■本のサイズ感

サイズは、W128×H182mm、B6版です。これは、文庫本とよばれるA5サイズより、一回り大きい、青年漫画コミックや、コンビニコミックに使われるサイズです。文庫本サイズは小さくてよいのですが、文字の大きさも小さくしなければならない。あと文庫本って、なんだか廉価版、大衆版のイメージがあって、ちょっと所有欲をくすぐらないのです、個人的に。

読みやすい文字の大きさと、携帯しやすい大きさ、みんなに長いこと大切にしてほしい…など、いろいろなバランスをとってB6サイズにしています。

■書体について

フォントは「A-OTF 教科書ICA Pro」を使用しています。教科書体ってみなさんご存じですか?その名の通り教科書で使用されるフォントなのですが、教科書で使われている書体で、「毛筆の余分なさばきを抑え、字体を分かりやすくしたかい(楷)書系の書体」と定義づけられています。

まず、物語の雰囲気にベストマッチしているのがこの楷書系の書体だったのです。

そして、この教科書体は、「とめ」や「はらい」、「書き順」など文字を書くのに必要な要素を残したフォントなのです。これ結構重要で、ディフォルメや誇張、インパクトや見やすさを重視したゴシック体や明朝体などは、ディスレクシア(失読症)ともいわれる方が認識できない可能性があるからです。

書体の違い

たくさんのヒトに、物語に相応しい雰囲気で、正しい文字で、正しく読んでほしいという想いを込め選んだフォントになります。(実際こんな感じ▼)

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ちなみに最近はモリサワフォントがユニバーサルデザイン&デジタルに考慮した「UDデジタル教科書体」をリリースしていますが、こちらは作品の雰囲気にちょっと合わなかったので見送りました。

ちなみにですが、あとがきに関しては、本編を読んだあとに読むものになるので、少し肩の力が抜けてもいいかなってことで、UDデジタル教科書体にする予定です。(実際こんな感じ▼)

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些細なことですが、比べて楽しんでみてください。

■読みやすさ

そしてフォントの大きさです。一般的に文庫本では、8ptから9ptの大きさを使うことが多いのですが、今回は10ptとしています。行間もだいたい文字の大きさの1.5倍くらいあれば十分とされますが、今回は1.8倍とっています。文字が苦手なかたでも、必要十分に余白が設計されているため文字が迫ってくる感じが軽減できていると思います。

いかがでしたでしょうか?

僕たちの仕事は想像して創造する仕事です。こうして、本をつくらせていただく機会を、想像するチャンスととらえて、本職の方々の仕事を調べ、そこから自分たちが届けたい人たちのことを想像し、こだわりを入れていく。

まったくゼロからイチをつくることではなくても、価値を創造することはできると思っています。

ほかにもこだわりのポイントはあるのですが、それは、また次回!

以下の記事で、あとがき担当者募集しておりましたが、15名にご応募いただき無事終了しました。

黒田製作所物語については福島太郎さんの記事をお読みください。

ちなみにですが、デジタルでも出版されるとのことなので、デジタルデータもこちらで作成しようと思っています。業者にお願いするとそれなりに費用がかかるでしょうし、無償でご協力できればと思っています。

あとがきはちょっとという方も、手に入れやすい価格300円で発売予定とのことです。3月中には!(BIGHIGH)

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