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戦友になれた日|〇〇は成功のもとストーリー

私(ちゃこ)には過去に戻ってやり直したい現場がいくつもある。
その中でも、頭から離れない「4大やらかし現場」の一つを
「〇〇は成功のもとストーリー」として書き綴ってみました。

2013年4月
今から7年前。担当現場で、私は平常心をなくした。
生きた心地のしない2日間だった。

22012年9月

「ゴルフイベントの事務局員を探している」
パスタを食べながら、上司に業務内容の説明を受けた。
慣れないイベントの仕事に興味はあるものの、業務内容を聞くうちに
「私にこの業務ができるのか?」と不安になり、
「車の運転もできませんし、ディレクターもできませんがそれでも良いのですか?」
と伝えたのを覚えている。
その時上司は「事務局なので、できなくても大丈夫」と。

そして2012年11月、私はスウィングマンに入社した。

私が入った時、担当JOBのクライアントも代理店も、
みんな初めてゴルフイベントの担当になったメンバーの集まり。
過去の大会を経験しているのは、上司のみという状況の中、
手探りの状況で慣れない環境と事務作業に戸惑う日々。

上司の指導を受けるも、、、
まず最初の難関は、言葉が聞き取れなかったこと。
何を言っているかわからないから聞き返す。
→説明されても「・・・・・」→それでも聞き取れない→また聞き返す。

「何を言っているかわからない」というのは、そもそも話の内容を理解していないから頭に入ってこないということと、言葉が聞きとれないということ。

何度も何度も聞き返しを繰り返すと、さすがに嫌がられる。
そして、人間関係もぎこちなくなる。。
けれど、

私が理解していないということを上司にわかってもらいたい。
わからない事をわかったような態度で進める方がすれ違いが生じる!

だから怒られても聞き取れるまで、理解するまで何度も何度も聞き返した。
それでも、

「あの時言っただろ?」
「えっ?そうですか?いや、、、、聞いてない!と思います」

この類の会話はよく起こった。言った言わないの問題である。

それでも大きなイベントに携われる喜びで一日も早く知識を吸収しようと
懸命に働いた。

・参加者へ送る案内状の書面はわかりやすく簡潔で正確な文章を書くこと。
・今まで使ったことのないソフトを使っての資料作成。
調べながらの作業の為、作業効率も悪く、さらに現場が近づくにつれ、
作業は増えるばかりで気持ちは焦る。
さらに、イメージがつかみきれてない中でのゴルフ場と打ち合わせ。

そして、説教タイムも1日1時間ほどは日常的に。
その時は大抵夜帯。「今日も終電か。」そんな日々の繰り返し。
昔の手帳を見ると、帰宅時間は深夜を超える日々だった。
とにかくお客様への案内に間違い不備がなく送るのが、
事務局業務のメイン作業。
現場は上司の動きを見て一つ一つ覚えていこう。
そんな思いで臨んだ入社後5カ月目の初現場。
ここで私はパニックに陥ることになる。

大会準備日

私は当然、現場は上司が仕切ってくれるものだと思っていた。
が、それが大きな間違いだった。。私が甘かった。

スタッフへの大会概要説明、ゴルフ場とのミーティング、
タイムスケジュール管理、車両搬入出指示、備品チェック、
会場装飾の設置場所とタイミング指示 等々 について

「段取を組んで皆に指示して。打ち合わせに出ているからわかるでしょ」と。

「・・・・・・えっ?私がですか???(コンクリートのように固まる)」

「そんなのできない!!」(心の声が叫ぶ)

「できない」「わからない」は言うな!
と常日頃から言われていた言葉を口に出せたのか、出せなかったのか。。
今ではよく覚えていない。

3カ月の間に8回開催される大会の初回会場の為、
会場でしか確認できないことは「現場で調整」にしている課題もある。
そして、スタッフが一斉に動き出すため、
「〇〇はどこにありますか?」
「〇〇はどこに何本出しますか?」
「受付のレイアウトはどうしますか?」等々
の質問攻め。

あれもこれもグルグル頭の中を回るだけで、
先に進めない、指示ができない。

そんな中、受付名簿の間違いがあったり、キャンセルの連絡が入ったり、
私を追い詰める。

そして、ゴルフ場とのミーティング時間になっても、
バタバタとしている私は打ち合わせを始めることができない・・・。
当然、ゴルフ場担当者も
「打ち合わせは??」と人差し指を机にトントン叩くしぐさ。
これは苛立ちを現わすポーズ。

さらに頭が真っ白になる私。

結果、未熟な私は前日準備をまともに仕切ることもできず、
最終的にスタッフは上司の指示系統で動き、前日準備はなんとか終了した。
ゴルフ場との打ち合わせ以外は。

私のできない様をスタッフみんなにお披露目した結果となり、
恥ずかしさと、惨めさと、申し訳なさで心がいっぱいになった。
百戦錬磨の現場スタッフは、
「イベントも知らない、質問にも答えられない、そんな奴の指示で動きたくない。」
と思っているに違いない!!と想像するだけで、情けなさと孤独感で、笑顔が消えた。

大会当日

シーバーで呼ばれる度にドキドキソワソワ。昼食も喉を通らず、お腹もすかない。
スムーズにいかないことも、たくさんあったけれど、
熟練スタッフの対応と、ゴルフ場スタッフの最高レベルのおもてなしのおかげで、無事初回を終えることができた。

撤収も終わり、現場を去る時、ゴルフ場担当者のKさんに、
至らぬ運営のためご迷惑をかけたことを改めて心からお詫びをすると、
張り詰めていた気持ちが緩んだのか自然と涙があふれてきた。
「お疲れ様でした。次の大会もがんばってね」
そんな言葉をかけてもらった。

どっと出た疲れと、自責の念に駆られ、ボロボロのまま、
2013年の大会を続けた。

その後の大会での上司はというと、、、
クライアント、お客様、ゴルフ場に迷惑がかかると判断した場合には、
即座に動いて、的確な指示をし対応していた。さすがだ。
私はコバンザメのようにいつも後に付き、スタッフへの指示、トラブルの対応を見続けた。
けれど、それ以外の作業については、求めれば最低限の助言はしてくれるものの「考えなさい」「あなたがやりなさい」と、私自身が解決するまで見事に手を出さなかった。あの徹底ぶりも凄かった。

毎年続けていくなかで

当時は、「鬼上司!!」としか思えなかったが、
今となってはスパルタ鬼教育も懐かしく、深く感謝している。

辞めたいと思ったことはあったけれど、
「へなちょこで、できない奴」とレッテルを貼られて辞めるのは嫌だった。
幸いなことに、このイベントは毎年行われる。
ということは、挽回するチャンスもあるということ。
今回の失敗を真摯に受け止め、歯を食いしばって続け、自分のものにしていこうと決めた。

そして、ゴルフ場担当Kさん。
赴任して間もなかったため、人生の大先輩ではあるけれど、
この現場としては新担当という立場だった。
毎年会を重ねるごとに「泣いてたあなたが、随分逞しくなってきたね~」と。
大会当日はスタッフと同じ色合いのジャケットとパンツを履いてお揃いにしてくれていたこと。共にこのイベントを作っていこう!という想いが伝わってくること。いつも笑顔で迎えてくれたこと。

そんな関係も7年が過ぎ、コロナの影響で大会の開催が危ぶまれた3月。
打ち合わせで伺うと、
「開催の可否は、主催者の判断を待つしかない。できるだけのことはしていこう」と皆で和やかなとお茶会に。

信頼しているゴルフ場スタッフの方に、訪問の御礼メールを書いたところ、

ちゃこ→Kさん
「コロナで気持ちが落ちていた私は、皆さんに会えたことにより
気持ちも上がりました!」
Kさん→ちゃこ
「何だかんだ言いながら、お互い新人同士でよくここまできましたね。
ちゃこさんとは戦友のようなもんですね。

続けて来て良かった。
あの時の苦しさがあったから、
戦友というご褒美をいただけたのかもしれない。

よく「失敗は成功のもと」と言うけれど、今回もまさにその例だと思う。
けれど、失敗しただけで気持ちも行動も終わっていたら、成功には結びつかない。
”失敗を受け止めて、逃げずに前に進んでいく気持ちが成功のもと”なのだと思う。

そして今、苦しくてもがいているものがあれば、
それは後々の「〇〇は成功のもと」の「〇〇」になるのかもしれない。

最後に
イベント会社に入って「ディレクターはできない」という発言はないよね。
なんて青かったのだろう。
ここは上司も聞き流したのでしょう。
(ちゃこ)

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