拷問

本気で「死」を覚悟した、ある深夜の出来事を
ここに綴っておきたいと思う。

寝落ち寸前のウトウトから、落ち…ない。
寝落ち寸前のウトウトから、落ち…ない。
もう極限の睡魔でウトウトから、落ちないのだ。
寝ることを許されていない。

寝落ち出来ない流れは下記の通り
「極限の睡魔」→「ウトウト」→「落ち…」→「ビニール袋をシャカシャカする爆音が鳴り響く」→「身体が痙攣する」→「びっくりして目が覚める」を
小一時間繰り返した。

現代の熬鷹か？と思うほどである。まさに拷問だ。
※熬鷹とは中国で行われていた寝かせない拷問のこと。鷹を訓練する方法に由来している。

寝たいのに、どこからか聞こえてくる爆音で飛び起きる。爆音が聞こえた瞬間に身体が痙攣する。

この痙攣とは、授業中に居眠りをして何かの拍子にビクッ！となって机をガタンと鳴らした経験はないだろうか。まさに、それである。
一つ違うのは、私は寝ていないというところだ。

この、ビクッ！という痙攣が毎回3秒ほど続く。
睡魔、爆音、痙攣、覚醒、睡魔、爆音、痙攣、覚醒
いつもならあっという間に寝落ちするのに
今日は全く寝れない、というか何らかの妨害を受け
寝かせてもらえないという感じだ。

寝落ちの直前に爆音で聞こえてくるビニール袋をシャカシャカしたような爆音は、恐らく私の頭の中で鳴っていたのだと思う。

しかし、睡魔、爆音、痙攣、覚醒を小一時間繰り返した後に私はようやく眠りにつくことに成功した。
めでたし、めでたし。

とはいかないのが人生。
時間は、多分深夜1時頃。とてつもない息苦しさで目が覚めた。目が覚めたといっても意識がはっきりとしているだけで目は開けていない。

とりあえず起きてお茶でも飲んでからまた寝よう。

…あ、あれ？？？

体が、動かない…
全身が、ありとあらゆる関節が動かせない。それに胸のあたりにも錘が乗っかっているかのようにずっしりと圧がかかって、呼吸がとても苦しい。
とにかく酸素を吸おうとしても口が開かない、鼻呼吸をしても肺が膨らまない。
誰もいない自室で呼吸も儘ならず、寝ていることしかできない。
このまま呼吸が出来なくて窒息する、と「死」を覚悟した。そして考えれば考えるほどに恐怖に支配されていき、最後は無理やり走馬灯を見せられているようだった。

これを「金縛り」といいます。
人生2度目の経験でしたが、怖いです。

日頃は死を切望しがちな私ですが、この時ばかりは
「死にたくない」と思いました。

まだやらなければいけないこと、やりたいこと
会いたい人、話したいことが沢山あるから
色々諦めてはいけない。

今回は右手の人差し指の第一関節が動いた瞬間に
金縛りが解けました。
その後は、あまりの苦しさに声を上げて泣きました。もう暫く金縛りは大丈夫です。

でも定期的に金縛りにかかることで
生存意欲が増す可能性を見出しました。