いちばんの思い出のはなし。

人生で、初めて“ライブ”というものに行った日。
「東京なんて、遠いし。お金ないし。」
そう、思ってた価値観が、一瞬で揺らいでしまうあの日の光景を、僕は今でも忘れられない。

2018.07.31. 
中学1年の夏休み。曜日までは覚えてないけれど。
5周年記念のライブを武道館でやる、って聞いて、
どうしても、その記念の瞬間に立ち会いたくて、親に駄々をこねたんだ。
そもそも当たるか分からないのに?って話だね。

無事当てることができて、今度は座席の問題が出てくる。逆最前とかだったら僕泣いてた。

アリーナ席 2列目

その文字を見た時も、泣いたけど。何がいちばんって、当日、会場内に入ってみたら、2列目が最前だったんだ。どういうこと?って感じ。周りも混乱してたけど、どうしようもないからとりあえず席ついて緊張で吐きそうになるのを抑えてた。

真夏の暑い日だったから熱中症になってもいけないと思って、周辺のひとに塩分チャージタブレットを配ってた。そしたら隣にいたしませんオタクの2人組が何故かすごく感動してくれて、

「壊れかけだけど良ければ使って」
「もし良かったらそのまま貰っちゃって」

その言葉と共に受け取った1本のペンライト。
その優しさに、開演前から泣きそうになってた。crewってあったかいなぁ、って。

.

開演してからのことは
覚えてるような、覚えてないような(笑)
画面越しに見ていた彼らはイラストだったし、
初めて“実在するんだ”と、
人として認識した気さえする。

本物の彼らは、これでもかというくらい
自分たちのライブを楽しんでいて、
最高にキラキラ輝いていた。

僕はもう、呆然と目の前に広がる光景を
眺めることしかできなくて。
それぐらい強く、自分の心が揺さぶられてた。
その時点で推し始めて2年ほど経っていたけれど、
“出会えてよかった”“推しててよかった”とちゃんと思えたのはこれが初めてだったかもしれない。

そうして呆然としていたら、
不意に彼がこっちを見て。
ふわりと笑って私に手を振った。
気のせいだったかもしれない。
私に向けてではなかったかも。
それでも十分だった。
もう、彼の笑みが脳裏に焼き付いて離れない。

彼が泣いていたのも、もう懐かしいね。
あの日、貴方は『Mermaid』で泣いて、
更に『SAILING!!!!!』でも泣いてた。
ぼろぼろでひっどい顔。でもかっこいい。
もう意味わかんないよ。

俺たちは 4人で 浦島坂田船 です

泣き笑いの顔で言った彼を覚えてる。
リーダーに支えられて言った貴方を。
涙が止まんなかった。大好きだって思った。


4人が浦島坂田船である限りずっと傍にいる。
そんな決意をした、あの、暑い夏の日のはなし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?