「われわれに解明できる最後のものは、つねに最後から二番目のものでしかない」
あなたは眼前に写る事実を受け入れられず、知識に頼って描きたがる。 見るものがそこにあるというのに、理論というメガネをかけて盲目になる。 「いや、これはこう見えるべきだ」と理論や自分が抱く心象に従う。 だが、理論がまずあるのではなく、見ることが先にある。 あなたが学んでいる理論とは、何よりも、見ることによって編み出されたのだから。 理論は、見ることから抽出されたあるパターンやひとつの例に過ぎない。 そして世界には、いや日常にでさえ、その軌道から外れる無限の視覚情報が
絵を描きはじめて2年を越えた。 最近は「常に葛藤を抱えながらも、何年も何年も描き続けることができるのが本物の画家というものなのだろうか。」と考える。 僕にはずっと葛藤がある。 絵を描く云々の前に、人にはその人固有の純粋な感性があると思う。 ここで「純粋」というのは、全体ではなく部分。全体の大部分は外部から影響を受けつつも、回りに回ってここだけは自分のコアだと言えるような部分を意味している。そのコアになる部分は、意識下でも無意識下でも存在しうると考える。 絵を描いてい
