【眠る短編】水族館、水母の喪失
水母の骨…
あるはずのない、ありえない物事のたとえ。
または、非常に珍しい物事のたとえ。
私と暮らす4つ年上の男の子。
少し独占欲が強かったのか、
私の連絡手段は自宅電話のみだった。
知っているのは彼の番号だけ。
テレビもスマホも私は知らない。
幸せかと尋ねられたらきっと私は口を紡ぐだろう。
愛されているし、愛してる。
私のすべてを愛してくれた。
だけど幸せとは言い難い。
君にはきっと薬指への指輪に見えるのだろうが、
私には君の言葉は鉄の首輪と手錠に見えた。
監獄の中