24/07/11

踊りとの再会。
ここ数ヶ月、いや、数年なのかもしれない。
自分は10歳の頃から踊り続けていた。
自分の意思であるのに、大人になって、踊りが自分から離れていくような感覚が増えていた。

がむしゃらに、踊りを信じて疑わないことで触れ合っていた自分と踊り、
互いにそっぽを向いて、興味のないふりをしているようだった。

音楽と一緒に踊ってみる、「踊りたい」という源泉すら久々だった。
今日なぜか選んだのは二年前に踊った曲だった。
ピアノとヴァイオリンの美しく透き通った音色と、柔らかな声で歌う曲。
ちょうどおじいちゃんがなくなった時に、本番で踊った曲だった。

音楽は、記憶を呼び覚ます、それはとってもよく聞くこと。
さらにその音楽に、踊りたい、と身体が動き、集中して自分の今と向き合う。
とてもシンプルなこと。
これを失ってしまったと思っていた。

今日は自分の踊りに、懐かしさを感じ、やっぱり一緒に居たいと強く思った。
そして、踊りたいと思った。
自分であるために、その瞬間を包み込むように、
大切な人といるときのようなわたし。

踊りは道具ではない、一番わかっているはずなのに、ひとりよがりにならないようにと考えれば考えるほど、踊りは遠くへ行ってしまっていた。

目にも見えなくて、記録にもならなくて、そのときの耳と目と鼻と口と全てで感じるその瞬間は、自分が守らなくてはいけないことだった。

懐中電灯を持って、真っ暗闇の森の中へ進み、灯りを消してゆっくり顔を上げたときの満天の星空に出会ったときの景色と似ている。


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