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道 パッサカリア

昨年12月の末頃、伴田良輔監督の『道 パッサカリア』という映像作品を観てきた。少し時間が経ってしまったけど、ふわっと蘇ってくる記憶を頼りに言葉にしてみる。

思い出すとふわふわするのは、夢をみているような感じがしたからかな。夢というか遠い記憶というか、自意識より深いところにあるどこか何かと繋がるような。

明るい気持ちというよりはノスタルジック…ノスタルジックって言葉の意味に自信がなくて調べてみた。

⇒【懐かしさを感じさせるものや、もう失われてしまったものに心惹かれる様子を表す言葉】そう、そんな感じ。ノスタルジック。

どこか物哀しさもあるけど、それが不思議と心地よく落ち着く。1つの何かが終わり、次の何かへ移る時…そこに挟間があるとしたらこういう世界かもしれないって思うような。

どんな映画も人により解釈が異なったりするけど、そんな次元ではないレベルで、最後に完成させるのは観客自身であり可能性が無限に広がるような作品。

途中で数字や幾何学のようなものが出てきたけど、その分野の知識がなく感じ取れないもどかしさがあった。

数や幾何学には何か隠れてそうでもっと触れてみたいけど、苦手意識が先にきてしまうのをどうにかしたい。

私が引き込まれたのは"視点"を意識させられる描写で、視点による違い…凄い…って圧倒された。どこに視点を置くかでまるで違う。

何事も広くより豊かに捉えるために、日常や物事に対する視点も固定化せずにいられたらいいなと思った。

大きな世界の中の小さな私(世界の中に私がいるのか、私の中に世界があるのか)、内側と外側、過去と今と未来、上から見たりひっくり返したり…きっとまだ見えてない視点がたくさんある。

前作同様に最上さんの佇まいは本当に凄い。うまく言葉にできないけど"個”を超越しているような雰囲気でわぁぁ…ってなった。

全体的に自分の意識が曖昧になる感じがしてそれが心地よかった。次作は"花"がテーマと仰っていたのでとても楽しみ。

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