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私の推しをすすめる。19 「御船の滝」

[さとゆみビジネスライティングゼミ] 3期生のシマです。
ゼミで学んだことを、即アウトプットする80000字チャレンジ(1日1000字×80日)noteを毎日更新中 80000字チャレンジ33日目/のこり47000字
テーマ:たんたんと、情景を書く。視覚へフォーカスしピント面を鮮明に
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:エピソードファースト
:AなのにB
:視覚へフォーカス
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右手眼下には、無数の岩に雪が残る渓谷。左手頭上には、荒々しい岩に根をからませた木々。足下はシャーベットのような質感の雪道。空は蒼く澄んでいる。目の前には、小鳥が尾を上げ下げし、すぐに林の中へ飛んでいく。その昔、神々がここで遊んでいたのかと思うほどの場所が奈良県北山村にあった。
チェアリングの新たなスポットを開拓するために、朝から車を走らせる。駐車場に到着すると、先行者さんの車が2台。駐車場のお兄ちゃんの情報では、もう3割ほどしか残ってないらしい。リュックに折りたたみチェア、ガスバーナー、カレーヌードルを入れ、胸の前にカメラバックをつけ、歩き出そうとすると1組のグループが、上から降りてきた。「こんにちは。どうでしたか?」と質問すると、おっちゃんがご丁寧にアドバイスをくれた。「最後のコンクリの階段が、カチカチやから!クレヨンしんちゃんみたいに、ケツだけ歩きしいや!」「あっ、はい!!わかりました!!」と答えながら歩き出す。おっちゃん、ケツだけ歩きすら高難易度やのに、カチカチの階段でできるはずないやん…そう思いながら、1時間ほど山を登ると、急に雪深くなる。もうじきゴールが近い証だ。
間も無く、コンクリの階段が見えてきた。ケツだけ歩きをする場所を、余裕で足で超えていく。そして、鉄パイプで組まれた橋を、一つ超えると1組のグループとすれ違う。軽くあいさつを交わしながら、さらに二つ目の橋を超えていく。

もう、そこには誰もいない。目の前には、淡くブルーがかり、するどい牙のような氷柱の塊がぶら下がり、クラゲのような形で白く凍った塊がつらなる滝、「氷瀑」がそびえ立っているのだ。自然がつくる造形美。まるで、動き出すかのように躍動的な形は、今にも天へ登っていく龍のようにも見える。凍った部分が、3割しか残っていないと言われたが、はじめて見る滝は、想像以上に美しい。陽があたると、氷とミストシャワーが光を反射しながら、溶けだし、ガラガラと滝壺へ落ちていく。そこには大きくて、白でもなく、青でもない、透き通った氷瀑の溶けた塊が積み上がっているのだ。しばらく、見惚れた後、そこへ椅子を置き、ガスバーナーでお湯を沸騰させる。
来年は100%凍った完全氷結の「御船の滝」を見てみたい、そう思いながらカレーヌードルをすする。やはり、チェアリングはいい。誰にも邪魔されない、そこでしか見れない景色や、色や形がある。

帰り道、地図を眺めながら何やら相談しているグループが登ってくる。「岩戸の滝まであとどれぐらいですか?」と質問されたので、あと数分で到着することをお伝えしながらも、せっかくなら、氷瀑まで行かれることをお勧めした。すると、岩戸の滝の細道を上がったところに日本神話ででてくる「井氷鹿の井戸跡」へ向かわれるのだと話してくれた。マニアックなわかる人にはわかる何やらスゴい場所らしい。やはり、ここはその昔、神々の遊び場だったに違いない。

文字数 1200字
書いた時間90分

MEMO 
昨日は課題をギリギリで出したあと、崩れ落ちるように寝た。
そして、今日は氷瀑へチャアリング。ぼっーーーてして、充電完了。
あと7日で、ゼミの半分が終わる。おそらく、ここからがゼミ本番。
文章ってほんとに「その人」がでるんだなと感じる。思考していること、考え方の習慣、興味をもっていること、すべてが出る。
何に興味をもって、何を面白いと思い、何に感動する自分であるのか?
人格が全て文字にでてくるんだなーって思うと「ChatGPT」もAI人格として文字を書いてくるのかと思うとおもしろ。ならば、やはり犯人しか知らないエピソード、心が動いたエピソードをいかに解像度高く処理し、言葉にできるか?が人間の武器になるんだろうな。クレヨンしんちゃんがでてる文章をAIが書けるようになったら、もうお手上げになるんかな。ほんとに面白いな時代だな。

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