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2023

今年一年の大きな出来事はやはり、ZINEを出版したことなのだと思います。

この製作の詳しい話はまた別の機会にしたいのですが、製作の過程だけでなく、それを届け、手に取ってもらう中で、本当に沢山の人に支えてもらい、沢山のものを与えてもらいました。サポートしてくださった方々、手に取ってくださった方々、本当に感謝してもしきれないです。ありがとうございました。

この世の中にものを生み出して届けること、起点を作りそこから新しい物語が生まれることの楽しさ、難しさ、恐ろしさ、尊さにまだ少しだけですが触れられたような気がします。ものづくりをする人、やりたいことで生きている人たちの凄さをより増して感じるようにもなりました。

ありがたいことに思いもしなかったところまで進んで行くことが出来た一方で、そのスピードに心がついて行けず、自分がどこまで行きたくて、どう在りたいのか、何になりたいのか、問い続けても分からないの一点張りになってしまい、立ち止まる時間も必要でした。

しかし、どれだけ考えても「私は見つめたいものを見つめたいのだ」に帰結してしまいます。

それを固有名詞に結び付けることがどうしても難しくて、私には出来ませんでした。その覚悟が決められなかったということかもしれません。

どんな名前やラベルがつこうとも、私は自分の眼で世界を見つめ、自分の手で世界に触れ、世界と、自分と出会い直していきたいです。かりそめの言葉ではなくそうして自分の中で生まれた言葉を使いたいです。あなたの中に、私の中に生える何かを見つめていたいです。深く深く潜って、意識出来ること、言葉に出来る以前のその先に確かにあるものを見つめていきたいです。汚いものを汚いと言い、それでも人の美しさを諦めないでいたいです。そのことはこの先私が何者にされようとも変わらないと思いますし、変えたくないことです。

どんどん感性が開き、目の前のより些細なことに目を向けることが出来るようになるにつれ、コントロールが難しくなり、翻弄される日々も続き、気が滅入ることも多かった一年でした。

揺らぎ、混沌の中で生きて、生きて、このことだけは輪郭がはっきりと濃くなってきました。

そう思えるのも、ままならない自分を受け入れ、私が私という輪郭を持つ人間として生きられるよう向き合ってくれる周りの人たちのお陰で。そんな愛溢れる人たちに生かされた一年でした。

年々一人では生きていけず、人に生かされているのだということを実感します。少しずつ私に出来ることで恩返ししていきたいです。

一年前では分からなかった命のめんこさが少しずつ分かってきたような気がします。

生きること、死ぬこと、血縁のこと、欠乏、憎悪、悦び、他者と生きること、今まで以上に考え続けた年でした。

人前に、この場所でも出すべきなのか、そしてそもそもアカウント名を変えるべきなのか葛藤があり、中々出せずにいる写真や文章たちがいくつもあります。

そんな葛藤や不安定な期間がありつつも、不思議と生きていて一番心穏やかな一年でもありました。

好きだと思うもの、場所、人に沢山出会うことが出来ました。お守りみたいなものたちを少しずつかき集めて、自分の柔らかな部分を、今まで一人で固く握りしめていたものを少しずつ解放出来るようになって来た気がします。

この先どう進むのか私自身にもまだ分かりませんが、どこかよい風が吹いているような気がします。頭で考えても分からないものは自然のリズムに任せるしかありません。

それは決して自暴自棄ではなく、コントロール外にある面白さと自分自身を信じることなのかなと思います。

つらつらとまとまらない話をしましたが、改めてこの社会的にも不安定な一年を生き切った皆様、お疲れ様でした。私と関わってくださった皆さん、本当にいつもありがとうございます。末筆ですがいつもと変わらずビックラブを送ります。

2024年、ひとつでも多くの光が皆様の日常を照らしますように。無いことではなく、あなたの手にある確かなものを信じられる瞬間が一瞬でも多くありますように。良いお年をお迎えくださいね。


いつも、応援ありがとうございます!いただいたサポートは10月までのデンマーク旅に使わせていただき、そこで感じた物を言葉や写真、アートを通してお返しできたらなと思っています。