【妻の産前にしておきたいこと】床を準備する
現在進行形で子育てに悩みながらも、二児の父となり、多少なりとも経験値を積んだ私が、これから父親となる方に自分の経験を語る。
産前に準備した育児グッズは使わないこともある
産前にやることのひとつに育児グッズの大量購入がある。
「まずは育児の象徴みたいなベビーカーを買おう。大別してA型・B型があるみたい。両方必要なのかな?」「ベビーベッドも必要だよね。ベッドメリーをぶら下げたほうが安心して眠れるかな?」などなど、産後の生活を一生懸命想像して買い物をする。
しかし、実際に子どもを迎えてみると、想像とは違うことがたくさん起きる。
ベビーカーよりも抱っこ紐のほうが多用される、ペットでもいない限りはベビーベッドはなくてもとくに危険はない、ベッドメリーはぶら下げても視力的に見えている気がしない、など実際に子どもと暮らしてみてわかることがたくさんある。
必需品であるおむつやおしりふきにしても、使ってみたらメーカーごとの違いを感じたり肌に合わなかったりして「こんなに大量購入しておかなければよかった」と後悔することもある。
産後の妻は身動きが取れないので、「必要となったらすぐに自分が買いに行く」「近くに育児用品を買える場所があるか通販が活用できる」といったことが大前提だが、産後に必要とわかってから買いに行くのでも十分な物が多い。
あとでも準備できる育児グッズより今しかやりにくい床が大切
育児が始まる前に準備しておくとよいのは、育児グッズよりも、床だ。
産後は子どもから目が離せない時間が続くとはいえ、自分がトイレに行ったり、玄関で荷物を受け取ったりと、実際には数分間ずつ目を離さざるをえないこともある。
そんなときに大切なのは「どう考えても怪我をしない安全地帯に子どもがいること」である。
安全地帯にいれば、目を離してもいくぶん罪悪感が和らぐ。安心してゆっくりトイレに行ける。(「ゆっくりトイレ」がどれだけ贅沢なことかは産前にはわからないと思う。)
ところが子どもは、大人にとってなんでもないところでも怪我をする。典型的な例が、硬い床である。
新生児の期間は一瞬で過ぎさり、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、つたい歩きとどんどん行動の幅を広げていく。
当然、その間に何度も何度も転ぶ。頭も何度も打つ。「また転ぶんじゃないか? 頭を打つんじゃないか?」と思えば、目を離している間に罪悪感が募り、どんどん疲労していく。
「新生児のときは動かない」というのは事実だが、動き始めてから、この頭打ちつけ問題に対処するのはなかなか難しい。
テーブルの下に柔らかいマットを敷こうと思っても、自分と妻でテーブルを持ち上げている間に子どもが邪魔をしてくるからだ。
産前に「子どもが寝る場所」にマットを敷くだけでなく、「子どもが活動しうる場所全体」をケアしておくと、産後が非常に楽である。
オススメはコルクボード
マットを敷く手もあるが、オススメなのはコルクボードである。パズルのようにはめていくスタイルの物がよい。
マットと違って小さなゴミをからめたりしないし、掃除もしやすい。子どもの排泄や落書きでものすごく汚れたら、その範囲だけ捨てて新しい物に替えることもできる。
多少、家具の移動など力仕事も必要になるが、産後より産前のほうが手伝いを呼ぶこともたやすいので、「育児グッズも大切だけれど、うちの床、大丈夫かな?」と考えてみるとよいかと思う。