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誕生日/12月4日

「近くまで来たので、寄ってみました」
男は、読んでいた本から目をあげて、メガネを外して部屋の隅の暗がりに目をやった。
スタンドの明かりに慣れた目には、部屋の片隅は暗すぎた。
「覚えていらっしゃいますか」
男には、それが誰だか心当たりがなかったが、どことなく懐かしい思い出のような気がした。
「いや、目がだいぶ弱ってきたので、暗い所が見えにくくてね。」
「姿はお見せできないのですが。お元気そうな姿を見て安心しました」
そういうと、部屋の隅から人の気配が消えた。

鳥の声が聞こえたので、明け方のことだろう。
男は、目を覚ました。
「そうか、君は故郷の星に戻れたのか。
「よかたなぁ」

//2014年11月15日

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