オリガ・スミルノワのジゼルin cinema

オペラやミュージカルはよく見るが、バレエは生では見たことがない。好きでないわけではないが、今メインで推している⛸️の羽生結弦さんと両立するには中々大変で、見てこなかった。正直バレエの一つ一つの技の名前も知らないのでいきなり劇場は敷居が高いので、こういうシネマでの上映はとてもありがたい。

バレエは本当に素人なので見てその良さがわかるかどうか心配だったが、一流の人とは素人にもちゃんとわかるものを見せてくれるのだなということがよくわかった。バレエというのは感情を全て動作で表現するから、ストーリーはどうやって伝えるの?と思っていたら、ちゃんと型があるのね。恋する気持ちは胸に両手を当てた後相手に伸ばすとか、花を手折る仕草、花占いをする仕草、数が合わなくて悲しい結果になることがわかった花を捨てる仕草…踊っていなくてもちゃんと演じているから、登場人物がどんな想いなのかがわかる。
貴族で婚約者がいることを隠した若者に恋した村娘の弾む様子は、見ている方には結末がわかっているから痛ましいのだけど、恋の喜びに溢れた舞、彼の嘘に気づいた時の絶望と死に至るほどの激情の舞、2部の霊になってからの儚さと霊になっても彼を庇う様子全てが踊りで表現されているのが素晴らしかった…!
霊になってからの浮遊感ってばなんですかね?トゥシューズで立ったまま舞台の端から端まで移動するシーンは本当に霊がふわふわ浮いているようだったし、リフトされている時も、生きている時とは違う体の預け方(軽いショールを持っているかのような揺らぎ方)ジャンプして着地する時も音がしないので、どうやって体重分の重さを逃しているのだろうか、どれだけ体幹鍛えているのだろうか?
バレエとフィギュアスケートとはかなり違いはあると思うが、羽生さんのスケートは曲によってこの「重み」の見せ方も変えるように滑っていると改めて感じたし、それができるような体の鍛え方をしているのだと一流のバレエダンサーの演技を見て感じた。
こうして一流の作品が見られるなら、今後も機会があったら映画館でのバレエ鑑賞はまたチャレンジしてみようと思う。

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