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今年擦り切れるまで聴いた2022年公開のボカロ曲10選

年の瀬を生きるオタクの皆さん、こんにちは。
誰にも頼まれていませんが、私の個人的な2022年公開ボカロ曲10選を以下つらつらと書いていきます。
ちなみに、10選となったのは適当に見繕ったら偶然10個になっただけで、特にベストテンでもランキングでもありません。
気になるのがあれば聴いてみてください。これを聴けば今年のボカロが分かるかもしれないし、そうでもないかもしれません。

免責:
※一切音楽的な素養がないただのオタクが感情をつらつら書いているだけなので、なんか変なことを言っていても適宜読み飛ばして頂けると幸いです。
※なお、本noteでは便宜上各種ボーカロイド/ボイスロイド/UTAU/CeVIO AI等ヴァーチャルな歌唱ソフト/エンジンを一纏めに「ボーカロイド」と呼んだりしています。石を投げるのであれば小粒のものにしてください。
※10選は完全に順不同です。思いついたものから書いています。また、1人の作者から1曲を基本にしています。50選とかになりかねないから…。
※サムネイルはpiapro投稿作品より以下のものをお借りしました。
https://piapro.jp/t/sEw-
KIKI輝気


本編

 まにまに / 初音ミク - YouTube

きっとキミは狂ってんだ 誰もがそう思うでしょう
でもこれが僕の描く理想の歌

そのまま何も言わないで

https://www.youtube.com/watch?v=9O2VyUM5MlQ&list=RDUDnKGLz4LOQ&index=7

2022年春のボカコレ※参加作品にして、優勝作品。
曲の開始早々入る2分近い間奏、そしてそれでも飽きさせない展開の豊富さに、初音ミク、あるいは近年のヒット曲をよく聞く人であるほど度肝を抜かれるはずです。
r-906さんの曲はどれも素晴らしいのですが、これは創作をする人にとってかなり重みのある大切な一曲のような気がしています。
※ニコニコネット超会議からスピンオフした、ボーカロイド関係すべてを許容する天下一武闘会。

【周小蚕】INTERNET OVERDOSE feat. 初音ミク - YouTube

めちゃくちゃカバー曲なのでこれを入れていいのか迷いましたが、とにかく熱量が最高なので入れてしまいました。喋りの部分が中国語話者と話しているときを思い出して笑ってしまいつつ、癖になります。
2022年は多くのインターネットアイドルの皆さまがこの曲をカバーした年でしたが、やっぱり我々の世代にはミクさんが一番しっくりくる気がします。
あととにかくPVのフレームレートが高いミクさんがかわいい。本当に何この情熱?

 暮しガスメータ(うた:琴葉姉妹) - YouTube

だが、それがいくら憎らしくても
僕たちの暮らしてしまう日々は。
ああ洗濯の取り込みがまだだって気づいて
空と遊んで崩れた両の手を伸ばす

https://linkco.re/DSB0gqGt/songs/1811402/lyrics?lang=ja

ボーカロイドというよりは、ボイスロイドとして有名なA.I. Voice琴葉姉妹が歌唱する一曲です。
作者の電ǂ鯨さんは明るい曲調の中に不穏さを孕ませる作風が特徴的なのですが、この曲でも遺憾なくそれが発揮されています。
琴葉姉妹が淡々と紡ぐ言葉の端々から漏れ出る、日常から少しずつ炙り出されるような違和感にぞくぞくします。奥多摩ってそうなんだ…と思いました。
あと電ǂ鯨さんの描くPVが超かわいいので好きです。

 ONESELF / Twinfield feat. 初音ミク - YouTube

愛されたいから どうしても歌いたい
焦がれて枯れた声をあげた生命 秒速で過ぎてく急逝
遍く瞳の救援信号
愛されたい? なぜ?どうして?
最後に私を覚えてて欲しくて…

https://www.youtube.com/watch?v=0ahJ3_4hcL0

言わずと知れた巨大ソーシャルリズムゲーム、『プロジェクトセカイ カラフルステージ』のコンテストにおいて、EDM部門に出品された作品です。
最初の一音から物凄く現代的なサウンドを予感させ、実際歌詞も音楽も映像も正にEDMの現代的解釈というのに相応しい展開なのですが、それでいて機械然とした初音ミクの歌唱にどこか懐かしさを感じてしまいます。
やっぱりボーカロイドってこういうサウンドとすごく相性がいいですよね。

おえかきジュモナー / 可不 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

無邪気お絵かき 呪文er
むごい生き物のプロンプター
興味本位で生まれた
むごいおれたちも ビギナー
無邪気お絵かき呪文er
かわいくない もう捨てた
美醜は時代が 決めた
痛い助けて誰か

https://linkco.re/bC7QUz9B/songs/1968978/lyrics?lang=ja

思い返せば、2022年はCeVIO AI、特に実体のある(?)シンガーである花譜さんの音楽的同位体(UTAUのような概念だと思っていただければ)、可不が躍進した年であったように思います。
可不は非常に人間に近い歌声で時代の進歩を感じさせてくれる素晴らしいエンジンであることは間違いないですが、ともすれば「可不」を使う歌は全てが「可不の歌」になってしまう、そういった次元で人間に肉薄しているものだと思っています。
一方で、ボーカロイドはあくまでエンジンに過ぎず、作曲者による調声や、あえて破綻させるところまで含めて「ボーカロイドが歌う歌」であると思いたい私のような古い人間には物足りない部分もありました。
そんな中、AIという概念に対するアンチテーゼを詰め込んだ歌をAIによって人間に近づいた可不に歌わせたこの楽曲は非常に刺激的です。
これは人間がプロンプトを以って興味本位で生成し、廃棄した失敗作の悲鳴なのか、それならば人間とAIは誰かに評価される時点で何も変わりない存在なんじゃないのかとか、まあそういうのは私一人でやることにします。ただ、「2022年の音楽」としてここまで相応しいものは中々無いんじゃないかという気がします。
yanagamiyukiさんはボーカロイドHIPHOPを多数投稿しており、どれも素晴らしいのでぜひ……。

雷・々・来 / 知声 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

この地球で一番 どんな景色よりも 美しい
身体中駆け巡る 稲妻のような何か 探してるんだ
雷々来 雷々来 雷々々来
君と 醒めない 夢で 踊りたい
脈打つ鼓動だけが 生きている意味を教えてくれるんだ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40352244

こちらもCeVIO AIの派生のひとつ、「知声」という非常に人間らしいエンジンを用いた楽曲です。
ただし、前項のアンチテーゼを詰め込んだ”おえかきジュモナー”とは打って変わって、現代のボーカロイドの力を余すところなく味わうことが出来るのが魅力の作品に仕上がっています。朝のCMで流れていても全く違和感の無い爽快なメロディと、微かな憂いを帯びた歌詞に何度も元気を貰いました。
曲・歌詞・映像全てがめちゃくちゃハイレベルなのですが、その全てを一人で創作しているとのことで…怪物?

ポストずんだロックなのだ / ずんだもん - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

知らないうちにミサイルがなんども飛んできていて
戦争があって災害があって大変らしいのだ
ついきのうも有名な人が死んだらしいのだ
いつもどおりなのだ 繰り返しているのだ

https://www.nicovideo.jp/watch/so40804257

ニコニコ動画で開催された、楽曲制作者の名前を伏せてボーカロイド楽曲を投稿するイベント、無色透名祭からの一曲です。
この曲を歌っているのは、”東北ずん子”の派生キャラクターである”ずんだもん”です。しかし、このキャラクターはあくまで”読み上げソフト”として動画サイト等で活躍しています。※
この楽曲はそんな読み上げソフトであるずんだもんにポエトリーリーディングを歌わせることで楽曲を作り上げた、ある意味飛び道具的な一作です。
まあ、聴いてもらえれば分かるのですが…読み上げソフトであるずんだもんの語りは、”歌を歌う”ことに特化したボーカロイドとは一線を画す、確かな感情らしき何かを感じさせてくれます。
また、このイベントでは匿名性を担保するため、PVの作成にも厳しい制限がかけられています(背景は白のみ、使用出来るフォントもOS標準搭載のもののみ)。それでいて、恐らくこの楽曲のPVはこれで完成していると思わされる仕上がりは必見です。
※UTAU、NEUTRINOといった歌唱特化verずんだもんも存在しますが、VOICEVOXの読み上げ機能をフルに使った曲という意味で記載しています。

砂の鯨を追う物語 / 可不 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

本当の月夜は鯨が呑み干したお伽の世界で
荒れ狂う風は君の心だ
台風は進路を変えた

https://www.nicovideo.jp/watch/so40825123

『ポストずんだロックなのだ』同様、無色透名祭からの一曲です。
使用されているボーカロイドは可不。個人的に、可不の声質を活かした正統派の楽曲としては今年一番ハマっているなと感じた曲でした(天空目線)。
決して豪華に音を重ねるタイプの曲ではないのですが、ひとつひとつの音がキラキラと輝き、小説めいたリリックを鮮やかに想起させます。
1番終わりに入る雨歌エル(たぶん)のパートが堪らなく好きです…。

 『フューチャー・イヴ』feat.初音ミク / sasakure.‌UK + 有形ランペイジ - YouTube

エゴでもいいよ ノイズでもいいよ 
君がまだ“君”をやめないなら
ロジカルもミシカルもきっときっと― 魔法を信じていた

https://www.youtube.com/watch?v=7j0mQH0BtEU&list=RDUDnKGLz4LOQ&index=6

年に1度のボーカロイドの祭典、マジカルミライ10周年記念の楽曲です。
マジカルミライのテーマソングって毎年最高なんですけど…ずっと昔から初音ミクで音楽を作り続けてきたsasakureさんがマジカルミライの10年目に出す曲がこれというのが本当に何というか、嬉しかったです(デカい感情)。
偽物でもウソでもノイズでも、それを初音ミクが自ら肯定して奮い立とうとするようなリリックがsasakure.UK,有形ランペイジ,初音ミクの特技である流れるような電子音に乗り、本当に正統派ボカロ曲の一つのメルクマールだなと勝手に思っています。

 稲葉曇『ポストシェルター』Vo. 弦巻マキ - YouTube

なかなか読めない漢字は飛ばして 雰囲気だけ読み取って欲しい
余分に切手を貼って 溢れちゃいそうな言葉を書き足せるように

https://www.youtube.com/watch?v=kYwB-kZyNU4

ぬくぬくにぎりめしさんの描くかわいい女の子が、滑らかに出たり入ったりする『ラグトレイン』で聴いたことのある人も多いであろう稲葉曇さんの一曲です。
稲葉曇さんと言えば歌愛ユキの印象もありますが、実際の所どんなエンジンであっても神がかり的な調声をオールウェイズ出してくれます。
その中でもこの曲は、手紙などでは到底伝えきれない感情を、それでも不器用に、ひたむきに投函しようとする思いが舌足らずな弦巻マキが紡ぐ言葉から滲むようで、すごく好きです。
好きなんス…。


おまけ 2022年公開では無いけど今年よく聴いた曲

ほんと好き。ラジオという普遍的に存在する媒体とミクさんがすごく噛み合ってる。
あとPVが異常にかわいい。ありがとうございます。

稲葉曇さんの曲で個人的に一番好きです。
とにかく歌愛ユキの調声が素晴らしいのと、リズム・リリックが最高(もしかして:すべて)
”秘密天体 浮遊月光街”なんてフレーズ、何食ってたら思いつくんですか?

古のミュージック。
と言いつつ今年重音テトが一回バズってたので(インフルエンサーって本当にすごい)、それきっかけに久々に聴いたら良~となってしまった。だって、ヒラサワも好きだし…。
たどたどしい頃のテトさんの語りが歌詞にマッチしてますよねえ。

無色透名祭からなので2022年公開ではあるんだけど、あまりにもネタ曲すぎるので本編には入れませんでした。
いや、でもなんかすごい良いこと言ってて良くないですか?

カロンは昔からずっと大好きな曲なんですが、生活環境が結構変わった時にふと聴いたら、よくこの曲を聴いていた頃を思い出して割と胸に迫るものがありました。
いい曲ですよね。AviUtlも懐かしくて好きです。

郷愁シリーズでこれもよく聴きました。
カロンは私が勝手に懐かしさを感じているだけですが、こっちはもっと普遍的なはず。
良い、本当に。

monaca:factoryさんのアルバムがYoutube Musicにあるのを発見して、今年はよく聴きました。
Mars on the Waterの収録楽曲はどれも素晴らしいですが、特にお気に入りの一曲です。

結構個人的な趣味からは外れる曲なんですが、仕事中Youtube Musicのランダム再生で流れてきた瞬間Excel作業がめちゃくちゃ捗ったので、炎上期間はかなり助けて貰いました。

最近出す曲すべてがバズるかいりきベアさんの初音ミク15周年記念作品として2022年に公開されましたが、擦り切れるほど聴いたかと言われると少しだけ怪しいのでこちらへ。
イントロ・サビの旨味(うまあじ)がすごくて、現代的なボカロ音楽ってすげえなと心底思いました。
それと、一見シンプルなようで死ぬほど手が込んでいるPV、一体どうやって作ったのか検討もつかなくてビビります。

個人的にやながみゆきさんの曲で一番好きなもの。
終始平易な言葉で穏やかに語っているのになんでしょうね、この質量…。

DAYBREAK FRONTLINEとかめちゃくちゃ好きですが、技量が上がりすぎていて怖い。カロリーメイトのCMになってて怖い。
好きです。

ありがたすぎ。中学生になっちゃった。


この調子だと収拾がつかないまま2023年になりかねないので、今年はこれくらいで勘弁してやります。
それでは、2023年のインターネットでまたお会いしましょう。

よいお年を。

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