身代わり少女🧸
身代わり少女
ひたむきで可憐な殺人鬼
あるありふれた夏の真っ昼間、お母さんが車に轢かれたの。
そして、そのまま亡くなった。死んだ。
暑い、蒸し暑い夏のお昼の公園に、お父さんが泣きながら走ってきて。
私にそれを告げたの。汗と涙でぐちょぐちょになって。
暑すぎて夢を見たのだと思ったわ。現実だったけど…
嘘だよね?って聞いたけど、父さんは首を振るばかり。
嘘なんてつかないで、冗談でしょもうやめてよって言いながら、
騙されちゃって私は泣いた。
お母さんの誕生日プレゼント買いに、付き合ってくれるまゆみとショッピングモールを巡って今やっと休憩してたとこなのに…父さんに手を引かれて遠いとこまで歩かされて。
偽物の死体を見せられたの。映画の特撮でしょ?知ってるんだから。
パパは偉ーい俳優さんなのよ、そんなものすぐ用意できるわ…
ちょうどお母さんのための買い物をしてる時に限ってこんな冗談言って!
タイミング悪いよ?もう拗ねてやるんだから!ね…?嘘でしょ…?ねぇ…‼︎
だって、私の知ってる母さんは顔色が良くて…私を見たら微笑みかけてくれて…こんなに赤色じゃないし…だってだってだってだって…だってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってそんな嘘よねもっと出来のいい偽物を作ってきなさいよ父さんのバカ早く母さん出てきて種明かしをしてドッキリ大成功って言ってみんなで笑うのよそうよそうして早く早く早く
私は気を失って気づいたら翌朝だった。
私は喪失感に理解が追いつかない頭でぼんやりとベッドの上に寝転がっていた。
母さんは死んでなんかない…母さんは。
気づけば口から言葉がこぼれ出していた。
頭の中で何かが弾けた…閃いた。
そうだ。
もう命が、魂が旅立ってしまったと言うのなら。
呼び出せばいい。
呼び返せばいい。
依代に固定して第二の人生をお母さんにプレゼントしよう。
そして、また褒めてもらうんだ…
お母さんの体となるものを探さなくては。
この日から、罪深い殺人鬼、憑かれ鎌:)の過酷で奇妙な二重生活が始まった。
憑かれ鎌…それが私の夜の顔だ。
RINEフリーチャットで知り合った自称小学生どもにメールを打つ。
>>疲れ窯」 今から、殺しに行くね;>
一瞬シンとなったが、皆が冗談だと思って談笑を再開した。
>>フォカヌポウw」 急にどうした疲れ窯氏w拙者が癒してしんぜようかw
>>べろでのばーw」 なあそれって…‼︎
全員が気づいたら殺しにくいし…やばいな。先に始末するか。
>>べろでのばーw」 最悪だぜ…⁈みんなにゲロおいこいつもしかして憑かれがm
<べろでのばーw が退室しました>
最悪なのはこっちだ…!お前がガチ小学生だったせいで家族にバレるから脳死にまでしか至らせられなかったじゃないか‼︎脳を潰したとはいえ完全に殺さないと安心できない…あ、スマホは回収しておくか。
<べろでのばーw が入室しました>
>>べろでのばーw」 どうも疲れ鎌ですwあっけなかったねえwみんなもね、平等に逝こうねえwコイつがち小学生だったわw
<べろでのばーw が退室しました>
>>りんりん凛華」 べーさんどうしたの…?
>>みりん嫌い」 う…それは…冗談だろ‼︎べーもう早く帰ってこいよ…それはそうとフォカヌポウマジ小学生じゃねえだろ絶対w小学生系オタク絶対こんな喋り方しねえw
>>りんりん凛華」 本当にそうですね…w
>>フォカヌポウw」 やっぱり凛華氏が一番ホンモノォロリッの匂いがするでござるw拙者そっちに行きたいでござるwぶへへw
>>みりん嫌い」 フォカヌポウキモスw
>>りんりん凛華」 あまってみんnたすk
<りんりん凛華が退室しました。>
一撃では仕留め損なった。打たれたか…警戒心が強まるのはいいことではない。
>>フォカヌポウw」 凛華氏どうしたw
>>みりん嫌い」 なあ…疲れ窯ってさ…噂の復讐鬼憑かれ鎌なんじゃ…で、次に狙われるのはそっち行きたいって言ったフォカヌポウお前じゃね?もう怖いな…この予想が希くば外れてることを祈るぜ、顔も知らぬふぉかぬぽう…
>>フォカヌポウw」 まt
<フォカヌポウw が退室しました。>
ラストキル。殺したあと家を改めないといけないから早くしよう。
みりん嫌いマジサラリーかよ。
置き手紙を置いて。
憑かれ鎌:]
RINEフリーチャットでフリースレを探してみる。
さっき使った裏垢はもう消した。足がつくから。
訳ありの匿名チャットに入室を許された。
ホストはダレかな…名も知らぬ犯罪者どもなら死んでもいいよね…?
>>憑き釜」 入れてくれてありがとうなのだ❤️
>>匿名さん」 名前コワスw
>>リーダーオブ匿名さん」 女かよw
>>匿名さん」 ハロハロスw
>>匿名さん」 こんちゃー…
>>匿名さん」 挨拶が礼儀じゃなきゃてめえみたいなやつに挨拶しなくていいのによ…こんちゃー
>>匿名さん」 マジそれな…こんちゃー
>>匿名さん」 しんいりこんちゃー…
>>匿名さん」 また新入りか…こんちあ
>>憑き釜」 なんで⁈みんな士気がひっくいよ〜⁈
>>リーダーオブ匿名さん」 しゃしゃんな
>>匿名さん」 それなw
>>匿名さん」 こん売女がよお…
>>匿名さん」 つか名前隠すことも知らねえ新入りアホスw
>>匿名さん」 面白え話聞かせてビビらせてやんよ!なあリーダ率いる古参ども⁈
>>匿名さん」 おう‼︎
>>リーダーオブ匿名さん」 おうよ、チビれアマ
>>匿名さん」 おう。
>>匿名さん」 おうそりゃなあ!
>>匿名さん」 早く言おうぜ!
>>匿名さん」 おう勿論だ!
>>匿名さん」 あたぼう
>>憑き釜」 ななな、何⁈
もしかして…‼︎
>>憑き釜」 し、知りたいです‼︎
>>匿名さん」 むっかし轢いたアマのことさ‼︎
>>リーダーオブ匿名さん」 俺らとこいつでな!
間違いない…ここの全員が…母を轢いて挙句無罪放免になったクソどもの面々だ‼︎
許さない…いいところで仇と出会えたものだ‼︎どんな偶然か…
>>憑き釜」 嬉しいなあ
>>リーダーオブ匿名さん」 …は?
>>憑き釜」 ああ嬉しい
>>匿名さん」 あまっt
>>憑き釜」 仇、殺す:)
>>匿名さん」 やばいころされる
>>憑き釜」 運良く仇を見つけられた
>>匿名さん」 いばshお…ばれt
>>リーダーオブ匿名さん」 おい‼︎冗談きついぞお前らぁ!
>>憑き釜」 許さないと誓おうじゃないか
>>匿名さん」 たすk
>>匿名さん」 いやd
>>憑き釜」 クソどもめ
>>匿名さん」 ゆるし
>>リーダーオブ匿名さん」 お前ら急にどうしたんだよ‼︎
>>憑き釜」 この垢も捨てどきかな
>>憑き釜」 君まだいたの?
>>憑き釜」 みんな殺したよ?証拠もある❤️
>>憑き釜」 はいみんなーてか私ー挨拶よー早く❤️
>>匿名さん」 大丈夫よ、心配しなくても
>>匿名さん」 許してなんかあげないし
>>匿名さん」 慈悲を垂れることもないわ
>>匿名さん」 お前らだけは許さないから
>>匿名さん」 おっとヒントの与えすぎ?
>>匿名さん」 捜査が進んじゃ敵わない❤️
>>匿名さん」 早く口封じしないとねえ❤️
>>リーダーオブ匿名さん」 うそだ…
>>リーダーオブ匿名さん」 お前ら冗談なんて柄じゃねえだろおい‼︎
>>リーダーオブ匿名さん」 もしやお前…憑かれ鎌⁈
>>リーダーオブ匿名さん」 あ
今回もいい依代はなかった。何が依代に使えるかも知らないけど…
ひたすら殺してる。知らない女にお母さんを憑かせたとして、
どうやって家族に溶け込ませるの?
今のお父さんは再婚なんて考えられないと嘆いているのに。
で…闇雲に殺ってるとね…
終いに人殺し、楽しくなっちゃった。
偶然とは言え復讐もすんだしねえ…
こんな私に生きる価値はない。むしろ殺人鬼は家族を不幸にするし…
それで私、決めたの。自害する。そして、母さんに体を明け渡すの。
娘の体は馴染むでしょうから。
私まだ9才だから未来があるわ。母さんは人生をやり直せる!
さよなら、みんな。
ごめんね、父さん。
お母さん、父さんによろしくね…
誰にも読ませてはいけない自己満足の置き手紙を置いて。
私が美与から母さん…芽依菜になった証拠は残してはいけないからね。
母さん宛の別のを置いて。
これを燃やすと言う指示書も置いて。
念のためあなたは母さんなのよって書いた手紙を置いて…
息を止めたらね、損傷なし。傷ひとつない体に母さんが宿れる。
さよなら、世界。
ごめんね、世界。
いっぱい殺して結論は、誰の命も要らなくて、私の体で事足りた…
何も考えずにいっぱい殺した、罪深い体。
母さんに背負わせるわけにもいかなくて、代わりに大嫌いな薬中高校生の不良、マツオに罪を着せた。これも罪だけど…ごめんなさいしかもう言えない。多分命と引き換えに、罪はちょっとは軽くなるから。母さんにこの体が迷惑かけないといいな。
ああ…死ぬって…消えるって楽ちんだな…
ばいばい 大好きな家族
ばいばい 大好きなおうち
ばいばい すてきなおともだち
ばいばい すてきなまち
ばいばい…
「わたシ」はバtとs ℹ︎テキェるンダねこnウつkシィセKAィかラ
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