精霊吸血鬼の館⑵


館の主の親友ベニハ嬢。
彼女の魔力は並の魔女のそれを遥かに凌駕している。
強さ故にすり寄ってくる※偽りの友を恐れ、魔王でもやすやすと倒せるような、新しい世界を作れるほどの魔力を苦労して隠してきた。
(新しい世界を作れるレベルと言うと、最強魔族レイキューレの二段階ほど上だ!もはや神の域だ。こんなものを隠せていたベニハは凄いものだ。)

※ 前作のレイキューレの魔力をこっそり掠め取っていたシャーロットの様なコソ泥

幸い、落ちぶれた貧しい魔女族の出ゆえに、贅沢を知らず、悪の道に落ちて世界を壊すこともなく、おまけに著名度も落ちていたから魔力を隠せていた。

ある朝のことである…
「平和が戻ると、幸せに満ちているが、なんともつまらぬものだな。刺激があったし、波乱も嫌いではなかったかもしれない。強すぎて戦闘が出来ない分、冒険や騒ぎというのは他の何より興奮するしな。」ベニハは苦笑いしていった。「また一波乱来そうになるようなブラフを建てないでよ。もう被害者側は嫌よ!(なんならあなたが一回攫われるなりなんだりされてみてよ!ボソッ」少しカチンと来たのか、レイキューレが聞くものの耳を破壊すると言われている伝説の呪歌詠唱魔法『オンチーナ-ウタ』を唱え出しましt ボコッ
レ…レイキューレ様…モウシワケアリマセンハイスイマセンデシタゴメンナサイ…


さてと、私が殴られているうちにジュカが響き出した。凄い声量である。本来魔王も即死のこの呪歌が日常的なツッコミで使われているのだ。この二人の本気の喧嘩を見届けたり巻き込まれるのだけは絶対に避けよう。無関係でもおそらく瞬で殺される予感がするのである。
「ベーニーハーのーもーんーくー♪きーこーえーてーいーるーよー♪ゔゔゔゔゔ♪ぁぁぁぁ♪アアアアアアアアアッアッアー!っっhっfjvfjvにfj〜♪fjfっhふぇcっjfjdkdmfjふjfjfんえjdkdmんとおぴktっくぅwtscsczんzmvkj、、。yいrhうyいrーgんdんh‼︎‼︎‼︎‼︎ふぃいf〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪キィィィィィィィィィィィィ♪」段々と魔語でも人語でも無くなって、ただの奇声に聞こえてくるようになり、そしてトドメが、爆風が来た。まあ普通の魔族であったらただトドメになるを遥かに通り越してオーバーキルだったのだが、かの強すぎるベニハ嬢は多少煩いと不快感を示すのみだった。恐ろしい強さ、チートといってもいい足りないものである。


さて、話変わってレイキューレの部下、猫又の皇女ミャーロッタの城の話。城が襲撃を受け、死神の軍勢が現れたのである!レイキューレは部下たる悪魔族のものを使わして、古き親友良き部下の、猫又女王ミャーロッタを救えと命じ、悪魔族緊急召令軍の長官に、ベニハを据えて出撃させた。自分は食客時雨の発明した魔法水晶で戦況を見守っていた。ベニハ軍が現れ、刺客の人ならざるものを薙ぎ倒す。しかし、間に合わなかった。

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