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夜に働く私

夜に働く私はASDである。

ASDというと、なにそれ?と聞き返す人が

未だに大半のような気がする。

簡潔にまとめると以下のような特性を持つ。

・複数人の会話に入れない

・一つの事に集中しすぎてしまう
(マルチタスクが苦手)

・聴覚情報が弱く過敏、視覚情報優位

症状は人によって様々である。

今まで辞めた仕事の数は知れず

とても上手くいくかとても劣っているか

どちらかのパターンしかなかった。

コロナ禍に直面して仕事を失い

そこからは体の不調と退職の繰り返しをした。

働くか、死ぬかの2択を考えるようになった。

障害者雇用として働くことも

生活保護を受けて生き延びることも

私の頭の中にはなかった。

そんな去年の夏に絶望を経験して

秋に工房で就職したものの首になり

冬に憧れだったアパレルで働くもうまくいかず

私は部屋の中でぼーっとしながら

何もせずに過ごすようになってしまった。

今、振り返ってみれば

辛い事が積み重なったこの時期のお陰で

私にたった一つの夢ができた。

“好きな場所で心穏やかに暮らすこと”

子供の頃の自分は、学校も勉強も苦手だった。

友達を増やすことも得意じゃなかった。

18才から自分で生計を立てて働き詰めだった。

考えてみたこともなかったけれど

必要以上に肩に力を入れて頑張り過ぎながら

精一杯の崖っぷちを生きてきた。

親族を含め必要のない人付き合いをやめた。

過度に良い子になろうとしていた

過去の自分に別れを告げることにした。

住みたい場所で新しい人生を歩むことにした。

心身が削れる程、充分に頑張ってきたのに

そんなことにすら気がつく隙もなかった。

ふと、東京で夜に働いていたことを思い出して

わたしはもう一度、夜の街へ繰り出す日々を

始めてみたばかりのところにいる。

なんとなくでいいから続けられるだろうか

無事に住みたい場所に住めるだろうか

不安でいっぱいである。

だけども、

今までの自分へ言ってあげたいことがある。

空気が読めなくたっていいじゃない。

他の人より少し多く抜けてたっていいじゃない。

だって一生懸命にやろうとしてるんだもの。

それだけで、十分よ。

わたしにしかない良い所が

これからきっと、見つけられるはずだから。

もしうまくみつけられなくたって

のんびりやっていこう。

死ぬくらいつらいことは、いつだってやめてもいいんだから。

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