見つけた大切なかけら

新居の鍵が届いた。

今住んでいる場所を出て行くまでに

あと3ヶ月を切った。

仕事は意外にも続けている。

手を止めていたジュエリーをまた作り始めた。

お店に置いてもらうという

夢が叶う間近である。
　
心がぎゅうぎゅうに押し潰されそうなくらい

不安と期待が入り混じった気持ちで

日々を過ごしている。

けれども、なんだかとても大切なかけらを

取り戻したような、見つけたような

そんな気がしている。

すごく辛かったアパレルのお給料が入って

父へ贈り物をした。

楽しみにしているよ、と連絡をくれた。

私の夢は一つしかなくて

働いて、普通に暮らすこと。

家族を安心させて、自分も無理なく働いて

たまに好きな物を買ったり

外食をできるような生活をすること。

なんでも話せて一緒に笑える友達がいること。

これが当たり前のようにできる人ではないから

そんな毎日を送れたら、ただただいいなと

心の底から祈っている。

こころがポキリと折れた過去の恋愛から

立ち直れた春がやって来た。

のんびりでいいから、どうかまた

大事な人に出会えますように。

生きることを諦めなくてよかったなんて

言えるほど私は強くないけれど

頑張っている自分を

もう一度、好きになれますように。

私がわたしのことを、大好きになれますように。