今日、鳥が死んだ。

私は鳥を2匹飼っていた。
私は、というよりは、姉が連れてきたのだが。

メスとオスで、卵も産む。ウズラという鳥だ。
私は最初、反対した。
うちには猫が3匹、犬が2匹いる。
家の中で飼う場所もなければ、世話をする人もいない。結局今のペット達も、私が散歩に連れていき、私がペットサロンに連れて行き、猫のトイレのお掃除は私がしている。
そもそも、鳥には元々あまり興味がなかった。

結局その子たちの家は庭の外に置くことになり、
お掃除は姉がすることになった。文句はない。

ただ、庭の外には屋根がない。
雨が降ったら、鳥のケージを家前の玄関の屋根付きのところまで避難させる必要がある。

今日のお昼は大雨だった。
雷も鳴っていた。
姉は仕事で朝からいなかった。

私は昨晩一睡もできていなかった。
朝の仕事を終えて一眠りしていた。
午後2時に目が覚めた。遅刻だ。ピアノの授業は2時15分から。目が覚めた時にはもうすでに大雨で、とりあえずタクシーを呼んだ。待っている間に必要な物だけをバッグに積めて、服を着替えて、化粧もせずにタクシーに飛び込んだ。

考える余裕なんて、なかった。
とりあえず家を飛び出した。
化粧はタクシーに乗ってる間に簡単に済ませた。

ピアノの授業の後は、日本語を教える授業だった。
始まる頃には雨はもう止んでたらしい。学生が言ってた。

そして、帰宅した。午後5時45分だった。
帰宅した私はウズラのケージを見てショックを受けた。
洪水していた。

ウズラが1匹、その水の上に浮いていた。
もう、息はしていなかった。

もう1匹見つけた。
そいつは浮いている隠れ家の中にいた。
まだ、息をしていた。

その後、私は死んだウズラを近くの丘に埋め、
生きているウズラを新しい家に移動させた。

姉に電話して事情を簡単に話した。
「帰ってきた時には洪水で、1匹が死に、1匹は生き残った」と。

夜、姉が帰ってきた。
その時に私は最初から最後まで全部話した。

私のせいだ、と。

そして、責められた。
あなたの無関心のせいで、鳥が死んだ と。
なぜ、大雨だと知りながらそのまま出かけたのか。
なぜ避難させなかったのか。

私は、考える余裕も暇も無く、家を飛び出したからだと言った。

そして、言われた。
あなたは罪悪感を感じていないのか と。
その無関心さのせいで、今までどれだけ殺してきたのか と。

私は思った。

まただ。
また、責めるのか と。
あなたのせいで
あなたが無関心なせいで
〜が死んだ。
罪悪感?
帰ってきた時に感じたよ。
だから、まだ生きているウズラに新しい家を作って
死んだウズラを埋めた。

でも、凄まじい勢いで怒鳴られた時に感じたものは、無 だった。
何も、感じなかった。
罪悪感も、怒りも、怖いも、申し訳ない、も、
全く何も、感じなかった。

受け答えの中で、謝ったけど
何にも、感じなかった。

私はどこかおかしいのだろうか。
なぜ、何も感じないのだろうか。
私は、こんなにも無関心で、冷たい人間なのか と。

そう、思った。


午前2時
今日も眠れないのだろうか。

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