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スウェーデンとの出会いを振り返る

スウェーデンの合意形成政治について論文(と言ってみるも実際は随筆みたい)を書き終えたので、これまでのことを思い返してみましょう…

スウェーデンとの出会いとなったのは大学1年の夏休み。ヨーロッパの国々を旅行していて、スウェーデンはその中で最後に訪れた場所でした。

長旅の終盤でそろそろエネルギー↓と思っていたところ、私はこの国に降り立つや否やある種の(良い意味での)ショックを感じ、途端に元気を取り戻したのでした。道ゆく人の視線からは自立と余裕が感じられて、それが私にとってとんでもなく心地よかった。

以降そのとき胃のあたりでグワッとわきおこった興奮が忘れられなかった。でも心地よさは感覚的に感知したのでそれを作りだした正体は何なのかわからない。なのでそれから私はずっとこの国の本質について考えるようになった。
ちょうどそれは、あの時感じた感覚を、知識をつけることで言語に置き換えていく作業という感じ。


その後しばらくしてわかったのは、私はスウェーデンの特定の分野に惹かれていたというよりいろんな分野が有機的にリンクしているホリスティックな仕組みに心底興味を抱いていたということでした。
福祉国家というと困っている人を助ける(-から0)イメージが強いけど、現地ではどちらかと言えば主体的で競争力のある人材の育成と新産業の創出(0から+)のための仕組みとして捉えられている面が強いと私は思う。そのために政治、教育、福祉、建築やインテリアまでもがうまく設計されているのです。最近注目されているジェンダーとかサステナビリティとかも、断片的なトレンドとかではなくて自立した人を育てるという思想の一環なわけ。

で、これを国レベルで合意をとって色んな分野の仕組みに反映させるって、すごいことだと思ったんです。(あくまでも1つこイデオロギーなので、善し悪しは置いておいて。)

となると、一体どれくらいの誰がどんな風に考えて動いてるんだ?また、その人々を動かしているのは何なんだ?ともっと色々知りたくなりました。


そんなことを考えているうちに留学に行く決心がつき、実際に1年現地で過ごすことができたわけです。

現地で具体的に何を見てどんなことを発見したかはここでは書けないけど、とにかく1年のみと言えど住むというのは大きいことでした。
世界にはこんな気候のなかで住んでる人がいるのかと嫌というほど良くわかったし、そのなかで個々人みなそれぞれ割と危機感を持って生きていることも実感した。

で、去年帰ってきて、その後日本での最後の学生時代の時間を使い、政策革新能力を高めている要因かもしれない合意形成政治とそれが成立した由来に関する(随筆のような)論文を書きました。(自分的には良い学生時代を送ったと思えている)


というのが私とスウェーデンの4.5年間の歩みです。でもその根幹にあるマインドセット、反対に例外的な側面はまだまだ探れる。
なのでこれからも探索し続けたい。それによって関わり続けたい。
あ、でも言っておきたいのは、スウェーデンが日本と比べて良い国だと言っているわけではありません。メディアでは良くランキング1位のスウェーデン!と取り上げられて何だか優秀な国に見える節もあるけれど、それが好きかどうか、心地良いと感じるかどうかは人それぞれでしょう。
私はただ、現地に行くと身体がとけるようにリラックスできるから、ただ本当に好きだと思えるからこうして関わりたいと思っているという言ってしまえばエゴです。


ああ、まだそれでも4.5年。これからもっと関われる。人生を使ってゆっくりと、日本の精神とスウェーデンのマインドをmergeさせるような動きをしていきたい。

たのしいたのしい


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